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ウルトラ抽出のまとめと失敗事例 その1 [├ インフューズドオイル]

エタノールを使ってインフューズドオイルを作る方法、いわゆるウルトラ抽出法。
主に緑の石鹸を作る時に大活躍しています。

原本からの引用記事を以前に紹介していますが、何回かやってみて色々思うところもあったので、手順の再掲と失敗事例写真の紹介をしておきます。

だらだら書いていたら長文になってしまったので2回に分けることにします。
その1 :手順の再掲、思うところ ※文字ばっかりです
その2 :失敗事例 ※やっぱり長文です


ウルトラ抽出 ローズマリー石けん

■エタノールを使うインフューズドオイルの利点・石鹸用オイルとした場合の欠点■

    【利点】
  • 水溶性の成分も抽出される(といわれている)
  • 濃い抽出油が得られる
  • 冷浸法に比べて格段に抽出速度が速い

私は濃いインフューズドオイルを手早く得られる方法と捉えています。

    【欠点】(主に石鹸作成上の視点から)
  • エタノールを飛ばす作業が手間
  • 残留エタノールが鹸化促進剤として働き、コールドプロセスではアルカリ水を加えたとたんに固まるような事態に陥りやすい

悪い点2つ目を如何に緩和するかがポイントになろうかと思います。
ホットプロセスで作成する時やそもそもエタノールを使う液体石鹸では欠点になりません。
もちろんスキンケアに使う分にも(エタノールに弱い人でなければ)さほど問題になりません。
コールドプロセス石けんに特有のやりにくさということですね。

■抽出手順■
参考図書(最下部参照)の方法をベースに、若干私のアレンジが入っています。

【材料】オイル200gあたり → 完成オイル170-180g程
抽出用ドライハーブ20g (適量でよい.。できれば粉末、あるいは粉砕する)
無水エタノール(局方)20g (ハーブと等量が目安だが湿る程度の少なめで十分)
アンモニア水(局方)1-2滴 (なくてもよい)
好みのキャリアオイル
オリーブ油、ひまわり油など
200g


---------------

【道具】
抽出用の蓋つき瓶 オイルとハーブが入るサイズ
スプーンやマドラー瓶の中を混ぜ合わせるため
湯煎用の道具 鍋、ガラスボウル、攪拌用のヘラや泡立て器
ハーブを漉す道具受ける容器、漏斗、ガーゼ、お茶パックや油こし紙、コーヒーフィルターなど

【手順】
エタノールに漬けてオイルを注ぐまで

1)できれば電動ミルやすり鉢でハーブを粉砕しておく。表面積が大きいほうがよく抽出できる。
2)無水エタノールを取り分け、アンモニア水1-2滴を混ぜ合わせておく(アンモニアは無くてもよい)
3)ハーブを蓋つきの瓶に入れ、無水エタノールで湿らせる。液体が吸い込まれないで溜まるようなら全量入れなくてもよい。スプーンなどで軽く混ぜかえして濡れていないところが無いか確認しておく。
4)蓋をして6時間以上(一晩程度)置いて染みこませる。
5)ハーブの瓶にオイルを注ぐ。ハーブをオイルの中で泳がせるようにかき混ぜておく。

カレンデュラ 浸し中

エタノールを気散させ、ハーブを漉す工程 (2通り紹介)

方法A)低めの温度でゆっくりエタノールを飛ばし、ろ過する(参考図書で推奨の方法)

6A)オイルとハーブを口の広い容器(ボウルなど)に移す。
7A)50-60℃の湯煎にかけ、エタノールが放散するまでよくかき混ぜる(ゆっくりでよい)。温度が上がり過ぎないように気をつけて、最低1時間くらいは必要。
8A)少し冷ましてからハーブを漉す。オイルが温かいうちが漉しやすい。最後はぎゅっと搾ってできるだけオイルを回収する。


※(追記)この方法でじっくり飛ばした後、最後に80℃弱まで温度を上げてから止める、というテクニックをpiroriさんから教えていただきました。これだと高温にする時間が短いうえに確実性が増しますね。piroriさんありがとうございました。※

方法B)熱をかけて一気にエタノールを飛ばし、ろ過する(せっかちな人向き)

6B)オイルを口の広い容器に移すか、蓋を開けた瓶のまま80℃~グラグラ沸騰しない程度の湯煎にかける。時々かき混ぜる。
7B)オイルの温度があがってくると70℃を過ぎた頃からエタノールが蒸発してしゅわっと気泡が発生し始める(エタノールの沸点は78℃)。 気泡が一段落しても攪拌しながら10-20分くらい湯煎は続ける。
8B)湯煎後 荒熱が取れたらハーブを漉す。オイルが温かいうちが漉しやすい。最後はぎゅっと搾ってできるだけオイルを回収する。

方法Bで一気に温め中 →

  • 方法A、方法Bともに、湯煎の前にハーブを漉してしまってもよい。そのほうがエタノールの残留は少ないと思う
  • 湯煎の時のオイルの容器はできるだけ広く浅くオイルが張れるものが良い。深いと底の方は蒸発できない
  • 特に方法Bでオイルの温度の上がり方が早いと急にエタノールの蒸気が発生するので吸い込んだり引火したりしないように注意。湯煎のお湯を沸騰させない程度に
  • ハーブに残る分があるので、上記の分量ではオイルに溶け出ているエタノールは(オイルに対して)10%未満。実際に湯煎前後での重量変化を見ると5~7g程しか減量しない
  • オイルの温度が上がりすぎるため、直火は推奨しない。低温の設定ができるIHヒーターは便利かも
  • 時間をかけて少量を揮発させるためエタノール蒸気への引火の危険は少ないが(日本酒の煮切りと同程度?)、オイル自体も可燃性・引火性であるため火の取り扱いにはくれぐれも注意のこと

■石鹸にするにあたって■

大変濃く抽出されているため、上記で得られたオイル(170-180gくらい)を500gバッチに希釈して使うのでも十分。
残留エタノールが鹸化を促進する可能性があるが、これは避けがたい。できるだけショックを緩和できるよう、以下の注意&準備を!

    【レシピ】(慣れるまでは、という程度)
  • ひまし油、米油など、トレースの早いオイルを配合するのは避けたほうが無難
  • 牛乳などタンパク質系のオプション、お酒なども加速の危険が増すので避ける
  • 下で推奨している低い温度での作成をするならバター類やミツロウも使いにくい
  • デザイン石鹸にしようとしても玉砕する可能性あり。多くを望まないように
    【事前準備】
  • 何かあってもすぐに型入れできるよう、型の準備、精油のブレンド、粉物オプションの水溶きなどは事前に済ませておく
    【ぐるぐる開始~保温】
  • オイルも苛性ソーダ水溶液も温かさがなくなるまで冷ましてからスタートする。20℃くらいでも問題なし
  • 攪拌は泡だて器でなくシリコンのヘラなどにしておくと進行が緩やか。また万が一のときに気泡ボコボコになりにくい
  • 軽くトレースかな?から固まってしまうまでが非常に速いので、オプションは早めに投入し、さっさと型入れする
  • どんなに高速高温の型入れになっても、型入れ後は速やかにしっかり保温すること。覗くの厳禁。次回の失敗事例参考に

■素材に関する経験と考察■

【ハーブ】
もともと脂溶性の色素や精油成分、例えば緑茶やローズマリー等の緑のハーブの葉緑素、カレンデュラやローズヒップのオレンジ色(カロチノイド系色素)、精油分の多いラベンダーの香りなどは非常にすばやく濃く抽出できます。
反面、水溶性の色素や香り成分はほとんど抽出されてこないと感じています。赤や紫のアントシアニン系が出せるとうれしいのですが、ラベンダーを抽出しても緑色になりますし、ローズレッドは薄黄色?くらいにしかなりません。またローズの香り成分はほとんどオイルに移らず、漉した後のハーブのほうが良い香りを放っていました・・・。(ローズの精油成分は水に溶けやすく、そのため水蒸気蒸留での採油量が少なく、逆に良質の芳香蒸留水が得られるとのことです)

←ローズマリーと緑茶 ←ローズレッド

その他で比較的香りが出たのがジャスミンフラワー、オレンジフラワー。
カモミールも香りのほうはかなりいけるのではないかと想像しています(あまり好きな香りではないのでトライできず)。

花弁や柔らかめの葉など、エタノールをよく吸うものは比較的失敗しにくいと思います。
オレンジピールのような固くて膨らまない素材はエタノールが吸われずに余るため、入れすぎに注意です。

試したい素材はたくさんあるのですが一人ではなかなかこなせません・・・。こんな風になったよ、という事例があれば成功・失敗問わず教えていただけるとうれしいです。(ウル抽リンク集または写真集などができるかも?)

【アンモニア水】
参考図書で使われていますが、何のために使うのか書かれていないので不完全燃焼でした。
色々調べていくと、植物の有効成分抽出ではアルカリ性で行われる事例が比較的多いことが分かってきました。したがってアンモニア水はエタノール抽出の効率を上げるアルカリ剤として加えられているのだろうと推測しています。
まあ、分析できないので有りと無しの違いは分かりませんが。

【オイル】
石鹸のメインオイルにするものならどれでも使えるのですが、低温・短時間でも熱をかけることが心配ならオレイン酸系のオイルが無難かも知れません(オリーブ、ハイオレひまわり、ハイオレ紅花、椿、茶、など)。
私は精製オリーブやハイオレひまわり油をよく使っています。これはメインオイルとしてたくさん使うということと、ハーブを引き立たせるためには癖のないさっぱりしたオイルがいいなという観点からの選択です。

でもオイル漬けで放置しないので、溶解したココナッツ油やパーム油でもよく抽出できるかもしれませんね。。。

[その2: 失敗事例に続く]

(2010.7追記) ティンクチャーとウルトラ抽出についてまとめました。

----------------------
長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
新たな発見があったら適宜追記・修正して行きたいと思います。

■参考図書など■

エタノールを使うインフューズドオイルの作成方法は米国薬局方Ⅳ(1947)に収載されており、手作り石けん界ではneroliさんがウルトラ(?)抽出法と名づけて紹介されたことで広まりました。
米国薬局方Ⅳ(1947)を元にした、オリジナルの方法は下の本に紹介されているものです。
The Herbal Medicine Maker's Handbook: A Home Manual

The Herbal Medicine-Maker's Handbook: A Home Manual

The Herbal Medicine-Maker's Handbook: A Home Manual

  • 作者: James Green
  • 出版社/メーカー: Crossing Press
  • 発売日: 2000/12/30
  • メディア: ペーパーバック

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コメント 33

おおおお!もの凄く勉強になりました。φ(・_・”)メモメモ
固まるのが早いの聞いていたので怖くて試せずにいましたが
チャレンジしてみたくなってきました。
ローズマリーの石鹸素敵~♪香りも出てくるフラワー系もいいですね。
昨日苛性ソーダ第2弾を仕入れてきたのでまたいろいろ作ってみます。
その2を楽しみに待ってます(≧∇≦)
by (2007-11-17 23:17) 

よこやん

すごい!!!
こんな情報を無料で手に入れることができるなんて、申し訳ないくらいで・・・。
いや~・・・。すばらしい!!!
ウルトラ抽出はローズマリーしかやったことがないので、今後の参考にさせていただきます。
リンク集・写真集私も持っているネタがあれば参加したい~~!
私もいろいろ試してみよ~~と!(^^)
by よこやん (2007-11-17 23:35) 

ion

おおー 分りやすい!

ウル抽の利点は、水溶性云々ではなく、早くできることだなー、と感じてます。
次の日には石けんにできますもんね~
でも結局油漬けのまま置いてしまってます(^^;)
by ion (2007-11-18 00:25) 

ソーダライト

すごいですね。大変参考になります。
ウルトラ抽出に興味津々!石けん原料のみならず、ハーブオイルでスキンケアをする時にも大いに役に立ちますね。

>ローズの精油成分は水に溶けやすく

すごく勉強になりました。
私はよくチンキを作るのですが、ローズレッドでチンキを作った時に、いつもはウオッカで抽出するところを、無水エタが余っていたので、無水エタで抽出を試みたんですよね。そしたら・・・
無水エタでは、全く抽出出来ないんです。ローズマリーとはえらい違いだと驚いたものです。
ローズレッドのドライハーブは無水エタの中では抽出出来ないどころか、エタが浸透しなくてドライハーブのままなんですよ。
これはやばいと思い、少し水を足したらブワワーっと、一気に色が出て驚きました。
ハーブ一つ一つ効能が違うように、抽出法の特徴も違うのでなかなか苦労しています。

勉強になりました。ありがとうございます。
by ソーダライト (2007-11-18 01:03) 

peko

おぉ、すごい~参考になります~
ウルトラ抽出、早く出来るので「あっ、あのハーブの石鹸を作ろう」
と、突然思い立った時にすごく役立ってます。
が、やっぱりエタノールを飛ばす作業が面倒かなぁ~
ちなみに私はエタ飛ばす作業は高温速効派です(^^;)

油溶性の成分は油の方に移るのだと思うのですけど、
水溶性の成分は油には移らないですよね?
どんな風に残ってるのかなぁ?
残ったエタノールの中に存在しているのかな?
エタノールが揮発する時に、一緒に飛んで行っちゃってたりしないのかな?
などと、疑問がありまくりです。
でも、確実に濃くは抽出されているとは思います。

カモミール、やってみた事ありますけど、香り残りましたよ。

初めてのウル抽で、テンヤワンヤになった時の記事です。
http://oukokusoap.exblog.jp/4560901/
by peko (2007-11-18 02:25) 

pokey

何時も詳しい情報をありがとう。毎回納得しながら読ませて頂いています。
私もUIF挑戦しています。
おっしゃるように緑系は色がよくでますね。但し解禁を迎える頃には半減しています。
スギナは半減よりもすっかり白くなりました。
ヨモギは綺麗な色が残りました。
ハイビスカスの花は意味なし? オイルの色のみ。
甘草緑がかった茶色
カレンデュラ、自宅栽培の濃いオレンジを使用しましたが、解禁ごすっかり抜けました。


私はアルコールを飛ばすに、大胆にもレンジを使用しています。
ハーブを丸一日漬け込んだあと、電子レンジで数分アルコールを飛ばしてからオイルを注ぎます。
それでも残る事が多いのでオイルを注ぐ前に数日空気にさらしています。
生のハーブを使うので、数日さらさないと、ハーブからの水分もありますので。

私の場合、ローズマリーを漬け込む場合4キロほど洗ってごみを落とし粉砕すると半量になりそれを1キロ程度のオリーブに漬け込んでいます。
家の周りの街路樹が市が植えたローズマリーが一杯あるんですよ(笑)

ローズペタル、綺麗なぴんくになったとしても石鹸のアルカリに負けないのかしら? 今後の課題です。
その二、期待しています。
by pokey (2007-11-18 02:27) 

nadesiko

ウルトラ抽出法。
一度やって激早トレースになって以来躊躇しています。
2~3倍に希釈すればいいんですね。
こんどはそうします。
実は漬けてあるものがたくさん・・・。
何のためのウルトラ抽出かわからないですね。
私は早く出ることよりも水溶性、脂溶性両方の効果があることを期待して漬けてみました。
温度も低めで挑戦してみようと思ってます♪
第二段もお待ちしています。
by nadesiko (2007-11-18 10:16) 

みやはむ

普通にオイル漬けだと油溶成分しか抽出されないと
読みましたが(ネット検索で)私の自宅にはミキサーが
ないので、アウトでした。でもこれを読むと濾すだけで
良い感じですよね。
もっと簡単だと思いチャレンジ!と思っていたのですが、
先は長そうです^^;
ゆりくまさんの記事、まだゆっくり嫁でいないのですが、
夜中にじっくり読みに来ますね!
いつもためになります!
by みやはむ (2007-11-18 12:55) 

バビ

ウル抽ってどーやるんだろ?と思っていましたが、細かい説明でよくわかりました(^o^)
アルコールを飛ばすのが面倒そうですね・・・。
激早トレースになるのも怖いなぁ~(^_^;) でも一度やってみたいですね。
by バビ (2007-11-18 14:01) 

toakon

おおお!いつもながら詳細なレポート記事。とっても参考になりますわん。去年石けん作りはじめたばかりの頃にカモマイルのウルトラ抽出はじめてやって(いや正確にはチンキにオイルぶちこんでた(笑))、とっても醜いボッテボッテの石けんの失敗記事書いてゆりくまさんにコメントいただいたこと思い出しましたわ(笑)。アレ以来アルコール入りにトラウマがあって作ってないけど、放置プレイインフューズド・オイル(笑)ばかりじゃなくてたまにはチャレンジしてみようかな~。注意事項ありがたいっす!
by toakon (2007-11-18 21:54) 

ハタヤ商会

ゆりくまさんの、まとめ記事大好き!
爽快です。
ウルトラ抽出は、石けんの場合は作業が苦手で
数をこなしていないのですが、
緑茶、ローズマリー、ジャスミン、リンデン、ヒース、
を試しました。
リンデンは香りが残りました。
ヒースは、うーん、よく判りませんでした。
アルブチンがアルコールに溶けやすい、ということで試したのですけど。
?? ややクリーム色が強い石けんになったくらいかな。
それから、油はほぼオリーブ油を使用しますが、ひまし油を使用することも。

ウルトラ抽出油は、石けんよりクリーム使うことが多いです。
成分同士の相性とか、石けんに入れた後の変化とか、
色々面白そうで、もっと試したいなあ。

失敗談、や他の方々の体験談も楽しみです。
by ハタヤ商会 (2007-11-18 23:02) 

ゆりくま

▼皆様コメントありがとうございます。
切りどころを見つけられず長文になってしまい申し訳ありませんでした。

■ややさん
思いつきで作ってしまうことが多いので、愛用している方法です。
爆発することはありませんから、失敗覚悟・実験気分でお試しくださいませ。
どんなのができるかはそのとき次第のお楽しみ~

■よこやんさん
まとめるのが精一杯であまりオリジナル情報は無いですが(恥)、お役に立てれば幸いです。
事例、是非是非ご提供ください~

■ionさん
パパッと作りたいときにいいですよね。
水溶性の成分が出ているかどうかは分かんないですし・・・(^^;)

でも気合入れてエタノール浸すんだけど、結局石けんにする時間がなくてオイルだけ注いで放置・・・。一緒ですわ~

■ソーダライトさん
ローズの成分はことごとく脂溶性が低いみたいですね。
精油の部分は若干端折ったところがあって、水蒸気蒸留ではハーブ中にあるエステル成分が水分と熱で加水分解してアルコールができるのです。このアルコール類(有名なゲラにオールとか)がローズオットーの売りでもあり、水溶性が高くて少量しか採油できない所以だそうです。だからエステルの状態なら抽出できるんじゃないかと思ったんですけどね・・・無理でした。
それよりドライローズに無水エタ染みこまないんですか?!
私がやったときはどうだっただろう。粗く粉砕していたから色が濃くなって染みたように思っていたんだけど。アンモニア水は入れてました。
面白い情報ありがとうございました。今度もう少し水分入れてやってみようかな。

■pekoさん
水溶性の成分はエタノールと一緒にオイルに染み出してきて、エタノールが飛んだらオイルに残るという順序で抽出される・・・はずですが、なにぶん見えませんからね・・・。
一緒に揮発してしまうかどうかはその成分ごとの物性によるところが大きいと思います。

たとえ脂溶性の成分だけでも、すばやく濃く抽出できるのは魅力ですね。

カモミールの香りは残るんですね(メモメモ)

記事ありがとうございます。
すっごい色出てますね! いつかまとめたいので消さないでね!

■pokeyさん
街路樹がローズマリーとは、さすが異国ですね~。生垣くらいなら日本でもできそうかしら。

ウル抽に限らずですが、葉緑素やカロテンの石けんも徹底的に遮光を心がければほとんど退色しないで1年くらいもたせられますよ。私は乾燥中から日陰というより暗闇に置いています。木箱の隙間から光が入らないように布を掛けたりして。
一度お試しください。

ローズもハイビスカスもアントシアニン系の色素なのでエタノールにもほとんど抽出されませんし、アルカリでは変色して青~緑系になります。また酸性では安定ですが、アルカリ下では非常に不安定なので一瞬きれいな色が出たとしても長持ちしませんね。
水分やオイルに抽出して石けんに色を残すことは困難でも、ハーブ自体をそのままの色で封じ込めることはできないものか挑戦してみたいものです。

■nadesikoさん
どうせ時間がかかっていることですし、他の方もよくされているように一旦加熱でエタノールを飛ばして漉した後、容器にガーゼなんかでホコリ除けをして数日放置するとかなりエタ臭がなくなりますよ。
温度低めはクリティカルに効きます。1分トレースが5分くらいには延びるので余裕綽々です(笑)

水溶性の成分も出ているといいですよね。密かに期待しているのですが、色や香りのようなわかりやすいものは出難いのでなかなか判定が難しいです。

■みやはむさん
エタノールは-OH基を持っていて水に近い性質があるので、水溶性の成分もある程度抽出されることを期待されています。そこにオイルを注ぎ込んでエタノールが抽出した水溶性成分をオイルのほうにもらってしまおうという作戦です。

ウル抽に限らず、ティーでもチンキでもハーブは細かくしておいたほうがよく抽出されます。ローズヒップみたいに硬いものは特に。
ホールならあらかじめ揉んだり擂ったりして小さくするか、パウダーを購入されると良いと思います。

■バビさん
劇早トレース、いいじゃないですか~。
オイルの計量から後片付けまで1時間かかりません。考え方次第!(ポジティブ)

確かにアルコール飛ばすのは面倒ですね。私は時間は気にならないけど、油よごれ容器がたくさん出るのが少し苦痛。

■toakonさん
エタノールチンキを石鹸に入れる作戦、私は考えるだけで怖くて(笑)やったことがないです。
在庫が主にBGチンキだってのもありますが。
ウル抽は明日ハーブ石鹸を作りたい!って時には便利ですが、結局予定が狂って放置しちゃうことが多くて冷浸法でいいじゃんって結果になりがちです。
by ゆりくま (2007-11-18 23:53) 

ゆりくま

■ハタヤ商会さん
いやー、書きなぐった後書式を整えているだけだという話も無きにしも非ずですが、見やすく、見やすくだけは心がけています。

リンデンとヒース、ウチでも出番を待っています。
アルブチン石けん・・・ふふふ。

ひまし油に抽出っていうのも面白いですね。
石けんに大量に使うのは難しいけどスキンケア用も視野に入れれば活躍しそう♪
面白い情報ありがとうございます。これからもよろしく~
by ゆりくま (2007-11-19 00:15) 

オカン

先日はコメント頂きましてありがとうございました。
本日オカン、勇気を持って初コメント致します!!

ゆりくまさんのウルトラ抽出、やってみたいと思いつつ
まだチャレンジできてません。
1ヶ月も2ヶ月も待たずに、思い立った時にすぐに使えるのは便利というか、
創作意欲を掻き立てるというか、情熱が冷めないうちに作れるのは魅力です♪

ちなみに。
チンキ石けん、オカンは2回作ったことあります。
しかも全量チンキ(笑)アルコール飛ばしナシ(笑)(笑)
恐ろしい姿の石けんができました。
保温中も、まるでかさぶたから膿が出てきたみたいな汚い姿。
でも1ヵ月後はすっごいマイルドで泡立ちが良く、つっぱらず気持ちいい石けんになりました♪
あんなに恐ろしい姿だったのに・・・(笑)
by オカン (2007-11-19 10:46) 

pirori

すご~い!!!
よくこんなにまとめましたね!
ワタシには絶対できない・・・・(-_-;)
エタノールを使う方法って米国薬局方に載っているものなのですね。
知らなかった~

じっくり温度をかけて、最後に沸点より高く温度をあげてやってますが
劇早トレースにはあんまりならないです。
それが理由かは不明ですが。。。
by pirori (2007-11-19 13:44) 

ゆりくま

■オカンさん
ようこそお越しくださいました。お気楽にどうぞ~。

そうそう、情熱が冷めないうちに、それなんですよ。
予定が狂って使えなくなった途端に長期放置プレイに。

チンキ石けん、やりますね!
見た目がアレな石けんほど使い心地が良かったりするんですよね。
あなどれないわー。

■piroriさん
ちゃんとじっくりエタノールを飛ばす。これに尽きますよ。
まあ失敗失敗言ってますけど、実際にとんでもない劇早トレースになるのは5回に1回くらいかなぁ。
焦りは禁物です。
by ゆりくま (2007-11-19 23:34) 

よしこ

はじめまして、よしこと申します。
ウルトラ抽出法でこちらにたどり着きました。初めて挑戦するにあたって、こちらのサイト様でいろいろと勉強させていただいております!。一言お礼を申し上げたく、こちらのエントリーにコメントさせていただきました。
本当にありがとうございますー!。
これからもじっくり読ませていただいて、いろいろと学ばさせていただこうと思っております。どうぞよろしくお願いします。
by よしこ (2009-07-27 14:37) 

ゆりくま

■よしこさん こんにちは。はじめまして~
まとまりのない話ばかりで恐縮ですが、お役に立てるところがあれば幸いです。
ウルトラ抽出、私の中ではもうあたりまえになってしまっています。
覚悟を決めて苛性ソーダを注ぐ時の緊張感がたまらないのですが、意外とすぐに固まらないことも多くて・・・ うれしいやらさみしいやら
by ゆりくま (2009-07-27 17:58) 

Kyo

はじめまして
ローズヒップ、ハイビスカスと
ネロリを
ウル抽しました
ともに、二層に分かれました
(オイルとエタノール?)
一度目のローズヒップハイビスカスのウル抽の時は油分が下で
二度目のネロリは
油分が上で膜になっててアルコールが飛びにくい状態になっていました
二度目はエタノールではなくウォッカで抽出したこともよくなかったかも知れません
トレースもなかなか
出なくて1日置いたら
上の方が透明な液が浮いて固まらず下から赤色液体が溢れていました
二度目はウォッカを使ったこともあり失敗したのだろうと思いましたが
皆さんのblogをみても二層に分かれてないような・・・
アルコールの飛ばしが足りないのでしょうかね
by Kyo (2010-07-06 13:12) 

ゆりくま

■Kyoさん、はじめまして。

分離したということについてはアルコールやウォッカを加え過ぎではないですか?

この記事の「【手順】★エタノールに漬けてオイルを注ぐまで」の説明とカレンデュラの写真の通り、ハーブがかろうじて湿るかどうか程度で十分です。ひたひたにしたり、液だまりができているようでは入れ過ぎです。

エタノールは油脂とあまり相溶性がよくないので比率が多いと分離します。
(オイルの上に浮きます)
ウォッカの時のは下部がウォッカ、上がオイルで、こういう状態になるとエタノールを含めて水溶性の高い成分は水側に引っ張られてオイルに溶け込む量はかえって少なくなります(平衡関係があるので)。アルコールを飛ばす前に分離した水分を除かないといろいろ面倒です。

2回目の石けんがあまり良い状態でなかったことについて、書かれている事象だけでは抽出に使ったウォッカが直接の原因かどうかはわかりません。

ウォッカを使うことへの私の考え方はこちらにまとめているのでご覧ください。
平衡についてもこの記事に追記したいと思います。
http://kumaguma-soap.blog.so-net.ne.jp/2010-05-28
by ゆりくま (2010-07-06 23:33) 

Kyo

ゆりくまさん、今晩は~
丁寧なご返事ありがとうございます
確かにハーブに対してエタノールを倍くらいに浸していました
ウォッカのblogを
読んで今更成分に気づきエタノールを使う意義を納得しました
二回目の石鹸は、液体をとって型だししたところ、半透明な部分と白くなった部分ができていたので水分過多により鹸化が上手く出来なかった部分が染みだしジェル化したのだと思います・・・

エタノールをハーブと同量にして再トライしてみます
ありがとうございました

blog応援しています
by Kyo (2010-07-07 21:17) 

ゆりくま

■kyoさん

あまり難しく考えずまた挑戦してくださいね。
いい石けんができますように。
by ゆりくま (2010-07-10 19:20) 

おキヨ

はじめまして ゆりくまさん!
もの凄い情報量でワクワクしながら過去記事など
読ませていただいています。

ウル抽出・・・消毒用アルコール(70%)では
うまくいかないでしょうか?
エタノールが入手しずらく、
何度か消毒用アルコールでチャレンジしましたが、
うまくいかず。結局、試行錯誤を繰り返し
アルコールを飛ばさないままオプションとして
普通に40ml位加えたら色がでました。
それ意外ではアルカリ水とまぜた瞬間黒に近い茶色になってしまいました。(翌日にはベージュ)
エタノールでないからでしょうか?
by おキヨ (2013-06-09 17:27) 

ゆりくま

■おキヨさん

はじめまして。

消毒用アルコールは水分が脂溶性成分の抽出には邪魔になりますし、オイルと混ざらず水相がゴミのように浮いたりするので使いにくいですね。
ハーブティーでご経験があるかもしれませんが、水溶性の色素はアルカリに弱く茶色になってしまうものが多いので、そういう意味でもウルトラ抽出に水分を持ち込むのは有利とはいえません。

無水エタノールが手に入りにくいというと国外か離島などでしょうか。。。 消毒用をおいている薬局なら陳列されていなくても言えば出してくれることが多いですし、ネット通販でも購入できます。
無水は少し特殊な規格ですが、日本なら無水のつかないただの「エタノール」、USPなら190proofというのが95%エタノールです。また飲用のスピリタスも95%近くだったと思います。これらなら代用が可能です。またイソプロパノールでも同様に高濃度のものを入手してください。

少しでもお役に立てれば幸いです。

by ゆりくま (2013-06-09 21:39) 

おキヨ

こんなに早くお返事下さってありがとうございます!!
とても参考になりました!!

住まいは米国なのですが、
私のいるカリフォルニア州はアルコールの規制があり、
75%までしか合法では入手でないようです。
酒税も日本に比べて高いので 安価な消毒用に頼っていたのですが
やっぱりエタノールでないとダメなのですね。
燃料として売られている物でも、100%は業者でないと無理のようで
なかなか規制が厳しいです。
こうなったら旅行で隣の州へ行った時とかにまとめ買い・・・も
ちょっと怖いので、
あるものでなんとか出来ないか、もう少し研究してみたいと
思います!!
もし 消毒用で成功したらご報告させて頂きますね!
本当にありがとうございました!

追伸:もし主出版された際はぜひぜひ購入させて頂きたいので
Kindleなどで出版(無料ですよ!)して欲しいです〜!!!ご検討下さい><

by おキヨ (2013-06-10 01:12) 

おキヨ

度々すいません;><

先ほど薬局で91%のイソプロパノールを
発見してつい買ってきてしまったのですが、
一応ネットで調べたらエタノールより毒性が強いなどの
情報があったので、石けんに入れて大丈夫なのかと不安になってきてしまいました・・・
湯煎などにかければ石けんにいれても問題ないでしょうか???
質問ばかりですいません。

by おキヨ (2013-06-10 14:36) 

ゆりくま

■おキヨさん

アメリカならrubbing alcohol(イソプロパノール)があるのでは、とお返事しようと思っていたところでした。

確かにエタノールよりは毒性があるという理由で日本ではあまりで回っていませんが、IPAで変性された消毒用エタノールもあります。USAでは消毒用としてはむしろIPAが標準なのでは?
USAのソーパーたちは普通に使っているようなので、特に肌が弱いとかアルコールが苦手ということがなければ、揮発してしまう用途なら使って差し支えないと思います。

by ゆりくま (2013-06-10 23:05) 

おキヨ

ゆりくまさん、お返事ありがとうございます!

言われてみて よくラベルを読んだら、
確かにカッコの中にイソプロパノールと書いてありました!
rubbing alcoholがイソプロパノールだという事に
今まできづかず使っておりました・・・(;x0x)

アメリカのソーパーは日本ほど細かい事を気にしない所が
自由で素晴らしいのですが
たまにマネしていいものか悩んでしまい
なんとなく日本のスタンダードが気になってしまいます。
そういって頂けて安心しました。


さっそく91%で再チャレンジしてみたいと思います!
本当にありがとうございました!!!
by おキヨ (2013-06-12 05:34) 

ねろり

はじめまして。
「neroliの散歩道 」のねろりです。

いやー、情報量が多くてすごいですね!
引用元からの情報など、興味深く拝見させていただきました。

この方法、最初に記事にした時はこんなに広まるとは思わず、もうちょっと考えてタイトルを付ければ良かったなと思ってしまいました(*ノ∀`*)
ウルトラ抽出法、なんてふざけた名前でしょう…

抽出される成分に関しては、オイルのみと比較してどのような違いがあるのかいまだに興味深々です。
どなたか成分分析してくれないでしょうか…
(おそらく無理でしょうけど…_(:3 」∠)_)

ローズは抽出したことがなかったのですが、エタノールでは香りが抽出できないのですねφ(..)メモメモ

ふと、ローズアブソリュート精油を抽出する時に使用される溶剤を使えば、もしかしたら手っ取り早くインフューズドオイルに香りも移せるかなと思ったのですが、エーテルやヘキサンを家庭で使うのは現実的では無いですね…

ちょっと色々検討したくなってきました(*´∀`*)
by ねろり (2017-10-21 18:12) 

ゆりくま

■ねろりさん!! コメントありがとうございます。
目に留めていただいて嬉しいです。

もう10年も前の記事ですねぇ
私は親しみやすいウルトラ抽出でいいじゃないかと思うのですが、新しく爪痕を残したい人の中にはネーミングをネチネチ批判する輩もいるようです。
私もコツコツとハーブは勉強を続けております。水溶性の成分が取れてくるというのはやはり言い過ぎで、比較的脂溶性が低くて油脂では抽出されてこないような成分もエタノールに引っ張り出されてくるというのが正解かと思います。そのような成分はエタノールを揮発させる段階で溶けきれなくなった分が析出しちゃったりします。
まだまだ研究したいことがいっぱいです。

サイトのリニューアル、楽しみにしています。
今後とも宜しくお願いします。
by ゆりくま (2017-10-22 22:37) 

ねろり

ご返信ありがとうございます(*´∀`*)
もう10年も前になるのですねぇ(遠い目)
時が経つのは早いです。

ネーミング、やはりどこかで批判されてましたか(笑)
予想はしてました(*ノ∀`*)ハハハ

水溶性云々は、参考にさせてもらった海外サイトに書かれていたのですが、原著ではどうでしたか?

サイトリューアル、時間が取れなくてペンディング状態なのですが、みなさんからいただいたアンケート回答など整理して残していけたらと思っています。

こちらこそ今後ともよろしくお願いします(*ˊᵕ`*)
by ねろり (2017-10-24 19:45) 

ゆりくま

■ねろりさん
原著を読んだのももう10年前なので正確な記憶がありませんが、明確な記述はなかったと思います。淡々と手順を説明する本でした。
サイトリニューアルはじわじわとお待ちしますw
今後ともよろしくお願いします
by ゆりくま (2017-10-29 22:41) 

おゆ

ブログ楽しいです。
質問です。
抽出するのに、アルコール使わないで、効果的な方法はありますか?
温めた油や水のなかにつけておく方法を見たことがあります。

もう一つ、質問です。
アルコールや、塩素系n消毒液が揮発したとき、もし、水につけたら、もとの成分になるんですか?
それとも、まったく別の物質になるから、口にしても心配しなくていいですか?
よく、YouTubeで石鹸のビデオみてると、自然なものを使ってるくせに、みんな、「アルコールは友達」とか言ってすぐシュッシュッシュッシュかけています。いつも、このことが、不思議です。
わたしは肌が敏感で(石鹸をあげるであろう)周りの人も敏感なのばかりです。そして、長年、外で買い物すると消毒のスプレーをします。
ということで、これは長年の疑問です。
化学の知識が足りません。もっとあったらいいのにと思います。

by おゆ (2020-04-26 03:06) 

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