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リバッチ石けんの作り方(少量編) [├ 粉石けん・リバッチ石けん]

削った石けん

固形石けんを一度とかして違う形や香りに作り変える、いわゆる「リバッチ法」

滑らかできれいな石けんにしたいと思えば思うほどぼこぼこふわふわになってしまって、もう嫌だ!という経験のある方は少なく無いはず。。。

もそもそになってしまう原因は、加熱が不均一&不十分で上面が冷めて固まってしまうこと、水分不足かと勘違いして水を加え過ぎて泡だちやすくしてしまうこと、融け切っていないのにかき混ぜすぎて空気を含ませてしまうこと、などがあるかと思います。

そんな課題を解消しつつ、なるべく簡単、短時間、ということに留意して考えた手順を紹介します。(いや、私が考えた!とまでは言い過ぎかもしれないけど)

比較的少量の取り扱いに向いた方法かと思います。
作業時間は、乾燥時間等を除いて、1時間程度です。

完成品は前回紹介したこちらの石けん。
白い石けんとピンクの石けんの2種類を組み合わせています。
リバッチ石けん

■ 材料と道具 ーーーーーー

固形石けん ・・・ 260g
水分 ・・・・・・・ 約50cc (石けんの20%、水やハーブティーを。)
食塩 ・・・・・・ 約3g (石けんの1%、なくてもよい)
着色料や香料など、適量
その他オプション (蜂蜜、追加のオイル、飾り用のハーブなど)

ピーラー、包丁など石鹸を削る道具
食品用ポリ袋 (ポリエチレン製の薄手のもの、スーパーにロールでおいてあるカサカサしたやつ)
保温性の良い蓋つき鍋または魔法瓶、電気ポットなど
タオル

石けん用の型 (今回はいつも300gバッチで使っているアクリルモールド)

リバッチ前の石けん
リバッチする前の石けん、
白いの 60g、ピンクのコンフェ入り200gです。

■ 手順 ーーーーーーーーー

・熱湯を使うのでやけどに注意してください

1) 石けんを削る

ピーラーやスライサーなどで固形石けんを削ります。ナイフでカットしても。薄いほどよいですが、無理に細かくする必要はありません。個人的に、チーズグレーダーは洗うのが面倒なので嫌いです。

削った石けん


2) 削った石けんと水分をポリ袋にいれる

石鹸と、その2割ほどの水分、食塩、着色料(クレイなど)をポリ袋にいれます。
糖分、オイルなどのオプションもここで一緒に入れてよいです。
香りが漏れたりポリ袋を溶かしたりする可能性のある香料、熱による変質や変色が気になるハーブなどは後にするほうが無難です。


色分けしたいので3つの袋に分けました。
袋や鍋の大きさにもよりますが、一袋あたり150gくらいまでが扱いやすい感じです。


3) ポリ袋の口を縛る

手で石けんフレークを潰しながら袋の中の空気を抜くようにして小さくまとめ、袋の口を縛ります。
空気が入るとモソモソふわふわになりやすいのでしっかり抜くこと。ただしこの時点で袋を揉むと泡立ってしまうので、軽く握る程度にします。
縛り口は石けんギリギリではなく少し余裕を取ってください(水蒸気で膨らむ分の余裕です)。
また、後でオプション材料を足すためには解きやすいように結ぶこと。輪ゴムなどを使ってもよいです。




4) 熱湯で湯煎 30分

なるべく保温性の良い鍋に鍋にお湯を沸かして(沸騰させて)火を止め、石けんのポリ袋を入れて蓋をして約30分湯煎します。薄い鍋ならバスタオル等で保温します。
途中で温度が下がったらもう一度沸騰するまで加熱します。
熱湯をいれた魔法瓶や真空保温鍋を活用するのもよいですね。



水に石鹸を溶かすのではなく、熱で軟らかくするのだというイメージで、十分温めてください。


5) 揉んで混ぜる。

湯煎の途中15分後くらいと、30分後に袋を取り出して中身をよく揉んで混ぜます。
やけどに注意して、鍋から取り出す時は菜箸やトングを使い、揉む時はタオルの上から。



30分後にもんでみて指に気になるほどの塊が触れなければ終了。熱いうちに型入れします。
香料や後で加えたいオプションはこのタイミングで袋を開けて加え、もう一度空気を抜いて袋の口を閉じ、よく揉んで混ぜ込みます。

私のは薄いピンクの袋にFOとブルーポピーシードをいれました。

6) 型入れ

ポリ袋の端を切って型に石鹸を絞り出します。

私の作例では下の薄目のピンクのと濃いピンクの層の境目をスプーンで混ぜてもやもやにしてます。
このように複数の袋に分けた場合、後から使うものが袋の中で冷めて固まるのを避けるために、直前までお湯につけておきます。





7)型出し、カット、乾燥。


完全に冷めたら型出しできます。半日くらいで十分かと思います。

すぐにでも使えそうですが、何日か乾燥させるほうがよいでしょう。

完成品

元の固形石鹸にくらべれば少しふわふわした感じで軽いですが、見た目はいい感じです。


以上
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

飾り用に色付きの石けんを少量作りたい時などにもおすすめです。
ちょうど良い硬さにできれば口金を使ってデコも可能ではないかと思います。

元の石けんの脂肪酸組成やオプション、乾燥具合によって、温めたときの柔らかさや滑らかさ、型入れする時の固まりやすさが変わってきます。

今回は水分を一律で石けんの20%としましたが、比較的新しくてグリセリンソープが混ざっていたピンクの石けんは型入れ後にスプーンで混ぜられるほど緩かったのに対し、3年ものの白い石けんは硬めで絞り出した形ですぐに固まり始め、型をトントンしても上面を平らに均すことができませんでした(ピンクの生地の中に沈んでいく感じだったのでやめました)

新しいものは少し水分を控える、硬めだなと思うものは途中で少量水分かエタノールを追加するなど、臨機応変に対応してください。
水分が多すぎると泡立ってしまったり型入れ後に縮んだりするので入れすぎ注意です。

アロマ基剤で売られている石けん素地や市販の固形石けんはパーム油ベースの硬くて融点が高いものであるせいか、お湯から引き上げたら直ちに固まり始める感じで、袋から絞り出すのは大変でした。


大量に作りたい、苛性ソーダを足してリバッチしたい、という時にはポリ袋を使わない鍋やボウルの湯煎でのリバッチが向いていると思います。
それはまた次の機会に。


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sunny

今の時期なかなかCPの温度設定等がつかめず、トライするには
いい頃かもしれないな、、、ということで、やってみますね。
(先日、夏気分で仕込んだCPかなり霜降りです・・・)
 数年前の失敗作、本を見て挑戦でしたが、原因追究できずでした。
(たぶん、ゆりくまさんもお持ちの本だと思います。)
 もうリバッチは無理、、と諦めたのですが、お陰様で、トライ気分出て
きましたよ。
 いつも惜しげない素敵な記事をありがとうございます。
by sunny (2011-10-05 10:13) 

キョロ

ボコボコ、ふわふわ、もそもそ(笑)
まさに私のリバッチです(´∀`*)
今度はビニール袋で挑戦します♪
詳しい記事ありがとうございました。
by キョロ (2011-10-05 19:37) 

mimi

ほしいところの記事で感謝です。
参考にさせていただきます。

ひとつ質問ですが、塩を加える理由を教えてください。
by mimi (2011-10-05 20:52) 

ラスカル

拝見させていただいて、無性に紅茶が飲みたくなりました(笑)
CPで三段階にするレイヤーが、まさかリバッチでできてしまうとは!
心おきなくトライしても、リバッチでこのクオリティなら
本当に心強いです。

…あ、ゆくりまさんの腕だからか(._.;)

これからクリスマスの仕込みを考えていたので
本当に参考になりました!
ありがとうございます(^^)
by ラスカル (2011-10-06 14:27) 

ゆりくま

▼皆さんコメントありがとうございます。

■sunnyさん
鍋でやるとどうしてもいじり過ぎてしまうのですよね。。。
上手くいかなかったら掃除用!と割り切れる石けんででも試してみてくださいませ

■キョロさん

誰しも通る道です。私もかなりやりました(昔)。

■mimiさん

ズバリいうと、マッシュポテト化をさけるための添加剤です。
ポリ袋法では不要かもしれません

■ラスカルさん

腕はさほど使ってませ~んただ流し込むのみです。
ぜひお試しくだされ


by ゆりくま (2011-10-07 13:18) 

sunny

ゆりくまさん、先月の記事、再度コメントごめんなさい。

木箱に山積みで、無視しきれなくなってしまった端っこ、
灰かぶり石鹸等々でトライしてみました。

お陰様で、泡立つことなく、いい感じで柔らかくなりましたが、、、
絞り出し中、ビニール袋が・・・・・・、ブシュッ(泣)
だけど、数年前、「もう、やらない(怒)」を撤回することが出来ました。

まだまだ、あと半分あるので、ゆりくまさんのような綺麗な形できる
ようにチャレンジしてみますね。やっぱり、ゆりくさまんのおっしゃる通り、
150gくらいが扱いやすいみたいです。(250g、少し欲出しすぎでした)
by sunny (2011-11-05 21:08) 

ゆりくま

■sunnyさん

挑戦、お疲れ様です。
固まりやすい石けんタネだと袋の方が負けてしまうかもしれませんね。どうせあまり細かい細工には向いていないので大きめに切ってどーっと入れてしまうのがいいかもしれません。

端っこちゃんたちが美しく生まれ変わりますように♪


by ゆりくま (2011-11-07 01:25) 

ソープカービング作家を目指すチョコけん

とっても参考になりました。ありがとうございます(・∀・)ノ
直接お鍋でグツグツしても固体がなくならなくてどうしたらいいか分かりませんでした。
試してみます♪
by ソープカービング作家を目指すチョコけん (2013-05-26 23:23) 

まりりん

2020年になってこの記事を見つけました。教えていただきたいのですが、塩を加える理由はマッシュポテト化を避けるためとのことですが、塩を加えるのは石けん生地をふわふわではなく引き締まった石けんにするためということでしょうか。
by まりりん (2020-12-18 19:50) 

ゆりくま

■まりりんさん
コメントありがとうございます
そうですね。引き締まる、と言っていいかな。
少しだけ塩を入れることでホットプロセスのタネが柔らかく扱いやすくなります。ぜひやってみてくださいませ
by ゆりくま (2021-02-07 00:50) 

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