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失敗石けんのリバッチ [├ 粉石けん・リバッチ石けん]

リバッチ石けん

ピンクのリバッチ石けんです。

いつもリバッチするときはピンクのような気がしますが...
今回のはオリジナルがピンクの失敗石けんで、そのまま修復したのでした。

失敗して以来、FBで時々経過をチラ見せしていたものの総集編です。

やわやわです

4月中旬に作ったピンクの石鹸、ちょっとずつ残っている在庫のオイルなどの整理も兼ねていろいろ追加しているうちに何処かで足し算忘れか計算間違いを犯したらしくなんと鹸化率55%のものを作ってしまいました!

上の写真はシリコン型から出してみたところ。
もうグズグズのやわやわです。

ここまでの特記としては、めちゃめちゃ苛性ソーダが足りてないわけですが、それでも頑張ればトレースが出るということです。もちろんブレンダー使ってて、妙に時間かかるなぁとは思っていたんですが。

600gという多目のバッチだったし、在庫整理つまりは結構いいオイルも混ざってるということもあって、もったいないのでリバッチで救済することにしました。

リバッチの方法としては極めてシンプル。
不足分の苛性ソーダをセミHPで混ぜ合わせるというものです。苛性ソーダを溶かす水の分だけ水分量が増えてしまいますが、それは仕方ないとして諦めます。

以下、写真メモです。

苛性ソーダ投入ジェル化しました

あらかじめ湯煎で60℃ほどに温めておいたオリジナル石鹸に、不足分の苛性ソーダ(目標鹸化率 92%)とオイルの1%ほどの乳酸ナトリウムを等量の水で溶かしたものを加えてよく混ぜ合わせ、再び全体がジェル化するまで湯煎しました。結果的にやはり60℃くらいでした。
温めても融けない粒があるのが気になりますが、これはいくら時間をかけてもダメなので諦めます(もっと高温にすれば消えると思いますが、香りを飛ばしたくないということもあり、比較的低温で作業しています。水分が少なく融けにくいかたちの結晶ができてしまっているのでしょう。)

乳酸ナトリウムはHPの石鹸タネをさらっと扱いやすくするため(ベタベタのネバネバになるのを抑えるため)に加えています。食塩でも構いません。塩分が入っているとヘラや鍋にネバネバとくっつくものが少なくなり、つるんと型に移すことができます。

2つ型入れ保温します

2つのシリコン型に型入れし、片方は真空保温鍋にお湯を張った中に入れて高温を維持する作戦(以前紹介したCPSPと同じ考え方です。真空保温鍋の代わりに炊飯器、オーブンも使えます)、もう片方は型をバスタオルぐるぐる巻で保温して以降は自熱で頑張ってもらう作戦で様子を比較することにします。

タオル巻の方が4ー7時間後くらいに発熱して温かくなっていて、反応が進んでいるんだなぁと実感させてくれました。10時間後にはタオル巻きの発熱がおさまって常温になっており、保温鍋のお湯の温度も35℃ほどに下がっていたので両方とも保温を解除しました。単に夜遅かったのでこの日は型出しせず、そのまま2日ほど放置です。


そして型出し&カット

上面と底面
上面底面

陽の射すキッチンで取ったら色が変な写真になってしまってすいません。
特に見た目に違いがありません。上面はボコボコしてますが、底面や側面はツルツルです。

カットしたー
ちらもカット面はきれい。やはり融けなかった石けんの粒粒はそのまま残っています。
※後で区別がつくように切り方を変えています。

水分が40%ほどになっているはずですが、全く気にならないほどしっかりした石けんに生まれ変わってくれて満足です。常にラップして、ぐちゃぐちゃかき混ぜないように気をつけたためか香りもほとんどなくならず、よく香っています。
通常通り1ヶ月ほど乾燥させてから使い始めようと思います。


鹸化段階の温度維持方法での違い、石鹸そのものの見た目では特に差がなく同じに見えたのですが、敢えて差を見出せたとすれば、この写真でしょうか。

PPテスト

リバッチ前の55%石けん(右上)、リバッチ後型入れ・保温せず放置していた欠片(右下)、上記の真空保温鍋(左上)、タオル巻のもの(左下)のフェノールフタレイン液(以降 PP液)テストの写真です。
キッチンの人工大理石のツブツブ模様がちょっと邪魔ですがご容赦ください。

ピンクが濃いほどpHが高い(アルカリがきつい)ことを示します。ちなみにpH8.2以下では無色になります。
最もpHが低いのは作ってから3週間経っているオリジナルの55%石鹸(右上)で、次が真空保温鍋で高温を維持したもの(左上)、次にタオル巻で保温したもの(左下)、一番pH高いのがリバッチ後保温しなかったもの(右下)、というように、結構はっきりと色の差が出ています。
やはりそれなりの温度を維持して鹸化を進めたものは早い段階でpHが下がっている、というあたりまえのことですが、なかなかビジュアルでお示しすることができていなかったので、よいサンプル写真が撮れたと思っています。


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PP液は中和滴定などに使う試薬ですが、鹸化が十分進んでいるか、そろそろ使える石けんかどうかの判断の目安に使えます。試薬名は中学か高校の理科で必ず出てくるので中和の実験をしたことのある方は少なくないのでは。
先日の講習会でも少し紹介しましたし、洋書の石けん本を読破された方なら、HPのあたりでかなりの高確率で登場することにお気づきかと思います。
だんだん色味自体が変わっていくpH試験紙を読み取って比べるのが苦手なので、私はこちらの方がわかりやすく、愛用しています。ただ、色を見ただけでpHいくつとわかるものではないので、なれるまでは必ず比較対象を用意して濃さを比べることが大切です。比較対象としては、品質の安定した市販のメーカーものの石けん、炭酸ソーダやセスキの水溶液などがオススメです。
(厳密にはpHは溶液の濃さで変わるものなので、いつも全く同じ条件で調製した溶液どうしの比較でなければpHの絶対値を述べたり数字で比較したりすることにはあまり意味がないと思っています。)
ご興味ある方は一度試してみてはいかがでしょうか。

東急ハンズや大きなホームセンターなどの科学実験キットコーナーで少量購入することができます。量が無駄に多くなってしまいますが1%または0.1%フェノールフタレイン溶液(中和滴定用)と指定して薬局で取り寄せてもらうこともできます(話のわかる薬剤師さんがいれば。。。)
私も講習会でお世話になっているアンデリーズさんでも取り扱いがあるので、訪問予定のある方はそちらでも。

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コメント 3

mimi

こんにちは。講師 お仕事 家庭とマルチでお忙しそうですね。
お目にかかってみたいと思っていますが、仕事のほうがなかなか
時間がとれずそのうちにと思っています。

乳酸ナトリウムについて質問させてください。
私も1本もっているのですが普通のCP法にもいれて使ってもいいものでしょうか?
ヌルットした使い勝手のよさがあるなら、型だしについても同じでしょか?90%溶液ならばどれくらい入れれば良いでしょうか?

また化粧水などに加えても良いとされていますが、お使いになったことありますか?
 これからも講師レポート楽しみにしています。がんばってください。
by mimi (2013-05-07 08:25) 

ゆりくま

■ mimiさん
乳酸ナトリウムまたは食塩はホットプロセスの作業性を改善するためにオイルの1%加えています。あらかじめ苛性ソーダと一緒にとかします。むしろぬるぬるを抑える側の作用がありますが、このくらいだと石鹸としての使用感に影響は出ないと思います。
CPだと同じ程度の添加で石鹸が固くなり、型出ししやすくなる、ジェル化しにくくなる作用があるとおもいます。
化粧水に使うのが本筋だと思いますが、なかなか使えてません。MMFなのでしっとり感が出るのでは?
レシピは化粧品材料のお店のを参考にされると良いと思います。


by ゆりくま (2013-05-08 08:40) 

mimi

ありがとうございます。
参考にさせていただきたいと思います。
ジェル化しないのはちょっと残念ですが、固くなって保湿効果かでるなら
ためしてみたくなります。

早速CP方でつくってみます。 楽しみです。
by mimi (2013-05-08 13:34) 

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