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青梅と完熟梅の話 [▼ゆりくまの台所]

梅シロップ

梅シロップ大好き、ゆりくまです。

石けんやハーブとは関係ありませんが、台所の科学的なお話を少々。

梅仕事のシーズンも終わりを迎えようとしています。
今年も梅シロップと、5年ぶりに(!!自分もびっくり)梅干しを仕込みました。
たくさん飲めないタチなので梅酒は頂き物で間に合いますw

さて、今シーズン、梅酒や梅シロップは青梅が向いてるよという話を何人かの方としたのですが、みなさんに驚かれました。黄色くなったものの方が香りがいいじゃんと。

確かに完熟梅の香りはたまらんです。私が干す時間がないのに梅干しいってしまったのも、店頭でノックアウトされて連れ帰ってしまったからです。実際、もちろん熟れた梅でも作れます。

香りや甘さには好みがあるのでどっちがいいとは申しませんが、ひとつ、決定的に青梅の方がいい理由があるので、ご紹介します。

初めの写真、二つの瓶はどちらも梅シロップです。
実の大きさは3L程度、梅と同量の氷砂糖、リンゴ酢少々で消毒、同じ条件ででスタートしています。全体の量が違うのは置いておいて、梅を見てください。

右側、シワシワになっているのが青梅
IMG_8782.JPG

左側、比較的ぷっくりしたままなのはキズ等で梅干しからハネられた完熟梅
IMG_8783.JPG

青梅は一週間程度で氷砂糖が溶けきったのに対して、左側完熟梅はまだまだ溶けておらず、下に溜まっています。

梅シロップはほとんど水分のないところからスタートするので、シロップの水分は梅から滲み出たものです。そういう目で見るとシワシワの青梅の方がいっぱいエキスを出してくれていることがわかると思います。

梅から水分が出てくるのは浸透圧の作用によります。

浸透圧とは。。。 専門的な説明は検索すればいくらでも出てくるのではしょりますが、
溶媒のみの液体(例えば純水)と、溶質が溶けた液体(例えば砂糖水)を、半透膜(小さい分子、例えば溶媒の水分子しか通さない膜)で左右に仕切って置くと、溶媒の水が薄い方から濃い方へ移動して、両側を同じ濃度に近づけようとする作用 、のことです。
初めは左右同じ液面の高さだったとしたら、純水側から砂糖水側へ水分子が移動した分だけ、純水側の液面が下がり、砂糖水側は上がります。つまり純水側からと砂糖水側からそれぞれ半透膜を押す水圧が液面の差の分だけ変化します。
水分子がある程度移動してバランスした時は、濃度差で膜を押す力(水分子が砂糖水の方へ移動したい力)と、液面の差つまり水圧で膜を押す力(砂糖水側が純水側へ押し返す力)がバランスした時です。
濃度で浸み込む力を圧力で表現できるので、浸透圧、みたいな感じです。

梅に戻って。

半透膜にあたるのは、梅の実の皮です。水分は通すけど、糖分は通りにくくなっています。
実の外側は氷砂糖環境で、溶質(砂糖)が濃いというかほぼ砂糖です。
実の内側は薄い砂糖水です。
浸透圧の話に当てはめると、水分は砂糖の薄い実の内側から濃い外側へ、移動します。

ここで、まだ熟していない青梅は糖度が低いので、より外側へ水分を送り出すことができてシワシワになりますが、
完熟梅は糖度が高いので、ある程度水分を保持したところで外側とバランスしてしまうのでシワシワにまでなりません。
青梅の方が実の水分と水分と一緒に出てくるエキスをたくさん取り出すことができるので、外側をいただくシロップや梅酒は青梅が向いているということです。

と、私は思うんですが、どうでしょう。

梅酒は砂糖だけでなくお酒の水分があって外側の糖度が低くなるので、梅シロップほどシワシワになりません。アルコールが程よくしみてアクの抜けた梅酒の梅は美味しく活用したいですね。

完熟梅シロップの梅も、柔らかさが残るので、ジャム等に加工しやすいかも。
その昔、しわっしわになったシロップの梅を別の砂糖水で煮込んで柔らかくしてジャムに、というのをやったことがありますが、これは大変だったなーー。

あ、凍らせろとか、フォークで穴を開けろとかいう話にはめんどくさいので参戦しません。
賛否ある方法なので、お好みでどうぞ。

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