まずはじめの写真、
塩析で浮いた石鹸分を熱いうちに牛乳パックに移して保温しながらゆっくり冷まし固めたものです。
石鹸は牛乳パックの口ぎりぎりまでいれましたが、冷めて固まったら4~5cmほど小さくなっています。
熱い時に含まれていた水分や空気が冷却と結晶化の過程で抜けて行くためです。
急に冷やすと空気が脱出する暇がなく、ふわふわの嵩のまま固まります。
塩析石鹸を鍋から出して固める時には平たい横型の型よりも牛乳パックのように深さのあるものをお勧めします。
冷めにくいことと、抜けた水分が下部に溜まりやすいこと、自重で締まった固形石けんになりやすいこと、また塩析石けんの下部には質の悪い石鹸成分が集まり中央部分に純度の高い質の良い石鹸が集まるので、端っこが少し失敗気味でも中央部分だけはリバッチしないですむことが多いためです。
こちらは1回目のポロポロ石鹸。カリフラワー(後ろの物体)とそっくり。
塩析の途中でポロポロになったことがわかっていたのではじめから取り出しやすいシリコン型に放り込んでしまいました。
ポロポロ度は、触ると簡単に粉砕されるくらいです(後で小分けした写真も出てきます)。
ポロポロの原因はおそらく塩析中の温度不足と塩の入れすぎなのですが、いきなり塩抜きして失敗するのもアレなので少量で試してみました。
もう一つ鹸化不足も考えられるため、NaOHを加えて仕上げ鹸化工程を加えたものも比較しています。
オレンジの容器に入っているのがほぐれてしまったポロポロ石鹸。
ビーカー左から、
左: ポロポロ石鹸に多めの水を加え、よく加熱してとかしたものをそのまま放冷したもの
中: ポロポロ石鹸にひたひたの水を加え、よく加熱してとかしたものに少量の塩を加えて再塩析したもの
右: 中 と同じタネに加熱中に少量NaOHを加えて仕上げ鹸化したもの
中と右は溶かしたタネを2つに割ったもので、右にだけNaOHを加えて更に同じ時間加熱、最後に加えた塩の量も同じです。
仕上げ鹸化した右の石鹸の方が締まっているように見えます。
中と右はNaOHや塩を加える前からすでに含まれていた塩分で分離していました(元のポロポロ石鹸はやはり過剰に塩を含んでいたということ)。塩抜き(仕上げ煮)だけでポロポロを脱出できる可能性が高まりました。
左は相対的に多めの水をいれたため、塩析が起こる限界よりも薄まって分離せず、ぷるぷる石鹸になっています。
取り出してみたもの
見た目も手触りも、やはり仕上げ鹸化したもの(右上)のほうがしっかりしています。写真では分かりにくいかな。。。
で、本体。
結局、若干の仕上げ鹸化をしつつ、塩抜きの仕上げ煮で固まった石鹸に変身させることができました。
ただ少し塩を少なくしすぎたようで、取り出せる程度に固まるまでに2日かかりました。
また下の写真はカット面ですが、牛乳パックの下の方(左の方)に色の濃い部分が多くなっています。
少し置いて水分が抜けて上部と同じクリーム色になれば良いですが、この色のままだと溶けにくくて使いにくいミドルソープになっている可能性があります。その時はまた端っこだけ再生を試みるつもりです。
思ったより時間かかっちゃったけど、これで1年くらいはキッチンソープ作らないで済むかな。
FBページ HandmadeSoapくまま でも石鹸近況など書いてます。
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