ゼロから粉石けんをつくる製法が上手くいったので、調子に乗ってます。ちょっと粉石けんにこだわって実験をしてみようと思います。
■リバッチで粉石けん実験 その1<お台所・お風呂洗い用粉石けんができるかな?>
在庫石けんをリバッチして、お台所やお風呂洗い用の粉石けんができるかな? というのが今回のテーマです。
何故お洗濯用でないかというと、在庫の固形石けんはディスカウントやスーパーファットしたもの、ハーブなどのオプションが大量に入っているものばかりのため、仮にちゃんと粉石けんにできたとしてもしっかりしたお洗濯用には不向きのためです。反応せずに残っている油脂やモノ,ジグリセリドは皮脂よごれに近いものでそれゆえ肌に使う分には優しい洗い上がりになりますが、洗濯物に残ると黄ばみの原因になると考えられます。また、こういう石けんで手洗いした布巾は水の吸収が悪い(油膜が残っているのか?)ということを実感しています。
お皿や浴槽を洗う石けんとしてなら気にならないので、そちらに主眼を置くことにしました。粉末にするために足す粉は炭酸ソーダではなくより手に優しい重曹にしています
まずは出来るだけ手をかけずに、単にリバッチして粉を足して磨り潰すという方法を試してみます。
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今回実験台になってもらう石けんはこちら。
超高速トレースでボコボコに穴が空いた上に保温不足で外側が真っ白の、オレンジフラワー&柚子皮石けん。2ヶ月前作成です。
見た目がイマイチなのと、オリーブ70%、パーム、ココナッツ各15%というシンプルなレシピということで選出されました。(使用には全く問題なく、お風呂とキッチンで愛用しています)
ディスカウント10%、水分の半分がヨーグルト、オレンジフラワー&柚子皮ウルトラ抽出、柚子皮パウダー入り、無香
オレンジフラワーの甘い香りがする石けんです。
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以下レポート。相変わらず長文です。
先に書いておきますが、結果はイマイチでした・・・。
★手順
1)石けんを細かくし、水分少々を足して温めて溶かす
2)溶けたところに重曹を投入し混ぜ込む
3)広げて乾かす
4)磨り潰して粉にする
1) 2) | リバッチ 重曹混ぜ込み |
| スライサーと包丁で刻んだ石けん(1個分 74g)に大匙1.5の水を加えて湯煎で溶かします。 ここに重曹35gを入れて混ぜ込みました。が、写真を撮り忘れました。 重曹の量は石けんの半量を目安にしています。 |
3) | 広げて乾かす |
| 粉を入れてまとまった石けんを細かくして紙の上に広げ、乾燥させます。 この時点で、前回のディスカウント無し粉石けんとは違って湿っぽい感じです。オイルっぽい(乾きにくそうな)しっとり感があり、ちゃんと粉にならなさそうな予感。 乾燥前の粉石けんの素の重さ 115g |
4) | 磨り潰して粉にする |
| 数日後、粉石けんの素の重さは8gほど減っていましたが、やはりしっとり感はそのまま。油分が多いようです。乳鉢ですっても粉になる感じではありません。 仕方ないので、粉になるまで乳鉢の中で更に重曹を足しながらすり潰してみました。結果的に75gの重曹を足したところの粉の状態写真です。 35g+75g=110g、元の石けん重量の1.5倍の重曹を加えたことになります。これでもしっとりとした粉で、握ったら固まってしまいそうです。 |
5) | 使ってみる |
| スポンジの上に粉を乗せて揉んでみましたが、重曹がよれて上手く泡立てられませんでした。 水に溶けにくい重曹の量が多いので、泡立ててのお皿洗いのような用途には使いにくそうです。石けん入りクレンザーとしては使えそうなのでシンクやカピカピ鍋、浴槽の磨き洗い用で消費しようと思います。 |
★まとめと感想
10%ディスカウントの石けんはかなり油っぽいものでした。サラサラの粉になる気配を見せません。
リバッチ時にアルカリを足して未反応の油脂を潰すか、塩析してグリセリンを除くかどちらかをしないと使いやすい粉石けんにはならなさそうです。
重曹と炭酸ソーダの違いもあるのか?炭酸ソーダなら水に溶けやすいので、しっとり感は取り除けないにしてもちゃんと泡立てることはできそうですが、素手では使えないというデメリットがあります。
正直、固形石けんは粉よりジェルソープにするほうが使いやすいかな・・・。
(もう1回くらい、続くかも)