アランビックとは・・・ アラビア語で蒸留器のことです。
蒸留酒や錬金術に使われたもので、特に銅製の単式蒸留器をこう呼ぶようです。
日本には江戸時代に伝わって、陶製の「らんびき(蘭引)」に姿を変えました。



ハーブウォーター蒸留用に銅製の小さいアランビックを手に入れたのは半年以上前。
ようやく、ようやく、試運転です。

小さいながらも水蒸気蒸留ができるのですよ。
付属の銅製のアルコールランプはカッコいいけど使いにくそうだったのでガラスのランプに交換です。



銅の輝きがたまらない。。。
蒸留酒の製造では釜が銅かステンレスかで味が変わってしまうのだとか。(銅のほうが繊細な香りでおいしいとか・・・ わたしには多分わかりませんが)



ハーブは秋に山ほど収穫したスイートラベンダーのリーフを使いました。

見えにくいけど・・・初留の30ccには少しだけ精油の層ができています。
お鍋やガラス蒸留器と違ってオープンな状態で蒸留水が出てくるので部屋中がラベンダーの香り。
ややスパイシーで、やっぱり真正ラベンダーとは違う印象です。

点火から約2時間で140ccほどの芳香蒸留水が得られました。ちょうどランプのアルコールが切れる直前のタイミングで終了です。
いつもながら(たいていのハーブで)出来立ては出がらしのお茶みたいな香りなので、冷蔵庫で数日熟成させて香りがまとまるのを待ちます。

とはいえ今回は試運転。ろ過はしたけど見えない機器内の汚れを持ち込んでいるかもしれないので化粧水に使うのはやめて、リネンウォーターかリキッドソープの希釈用になる予定です。



この0.7Lタイプのアランビックで得られるハイドロゾル留出量は約140cc。
ガラス蒸留器 約30cc、お鍋だと200cc~400ccくらい取れるので、欲しい量によって器を変えるのはもちろんですが、キウイなどの果物や直接蒸留でよいものはガラスか鍋、水蒸気蒸留にしたい繊細なハーブはアランビックなんて風にも使い分けてみたいところです。



蒸留後のラベンダーリーフと釜に残った黒い煮出し汁(? /専門的には釜残)
リーフは蒸しあがり~って感じで妙にふかふかしてます。
一瞬、お風呂に入れてみようかなと思いましたが、トップノートのさわやかな部分がなくなって「煮出した植物」的な匂いに変貌していたので(あたりまえか)、今回は見送りです。


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急に冷え込みましたね。
近所の土手で早咲きの桜が満開と聞いて早速お花見散歩に出かけたものの、雨(予報は雪)が降り始める直前の強風と寒さに勝てず、咲いていることだけ確認して退散です。
おかげでゆっくり蒸留する時間が取れました。