石鹸炊いてみました。

釜炊き石鹸なんて言葉があるとおり、加熱しながら鹸化するプロセスを日本語では「炊く」と表現します。英語だとcookです。(実は石鹸だけでなく化学プロセス業界全般で炊くとか煮るとか言うんです。)

ということで石鹸の炊き方(ホットプロセス)のアイデアを2回に分けて紹介します。

・作った石鹸の紹介はこちら→「ホットプロセスの石けん、2種」
・石鹸炊いてみた 二つ目の記事 →「石鹸炊いてみました、そのニ。CPSP」


ホットプロセスは加熱して鹸化を進めるため、熟成期間が不要ですぐ使い始められるメリットがあります。
見た目に凝らない家事用石鹸、透明石鹸、アルコールを使わずにリキッドソープの素を作るとき、リバッチなどには便利な方法です。
(もちろん頑張ればそこそこ見た目の良いものを作ることもできます)
また、鹸化が終わってからオプションを加えるため、エッセンシャルオイルやオプション材料を強アルカリと触れさせないで済むのも特徴です。(多少の熱はかかりますが)


海外では直火でグツグツ炊くクラシックなホットプロセスの他に、比較的低温で行うにはクロックポットを使うホットプロセス(CPHP)、コンベクションオーブンを使うホットプロセス(OHP)、コールドプロセスで型入れした後コンベクションオーブンを使うCPOPなど、いろいろな方法が提案されています。
根強い人気があり、かならずHPという人も少なくないようです。


比較的低温でマイルドに行うホットプロセスに必要な温度はおよそ70℃前後です。温度を上げすぎると途中で分離しやすくなります。

日本ではクロックポット(釜が大きめの陶製の、電気鍋)は一般的ではないし、70-80℃程度の低温に設定できるオーブンはかなり上位機種になるようです。なのでホットプロセスといえばIHヒーターも含む直火か湯煎が定番ではないでしょうか。もちろんそれでまったく問題はないのですが、一部のIH機器を除いては温度管理に非常に手間がかかります。温度が気になって目が離せません。そう思うと、海外で提案されている道具はすべて温度管理を楽にすることに寄与しているようです。


でもでも、日本にもあるじゃないですか! 70度くらいを維持してくれる熱源。


電気炊飯器(電気炊飯ジャー)



そう、日本人的ニュアンスで「石鹸を炊いちゃう」ホットプロセスにトライしてみたのでした。