オットがココナッツ油(またはパーム核油)高配合の石けんをシャンプーに使うのが好きで、季節に関係なくココナッツ&メンソールクリスタルのスースー石けんを作っています。

↓直近のは+ガスール、ココナッツ油50%。(記事はこちら →クマシャン!2008)




彼がこれが好きな理由は「アワアワだし、きゅっとしないから」
泡立ちがよくて使いやすいこともありますが、きしまないと感じているのですね。


ところで石けんシャンプーで髪がきしむ、からむ、ことの理由は大きく2つあるようです。

1)石けんかす(金属石けん)によるもの
水道水中の硬度成分(マグネシウムやカルシウム)と結びついた金属石けんが髪に残るため、すべりが悪くなりきしみ感が出る。

2)アルカリでキューティクルが開く
石けん使用により弱アルカリ側に傾くため、髪の表面を覆っているうろこ状の組織(キューティクル)が開いてからみやすくなる。

酸性リンスをすることによって石けんかすが取り除かれ、キューティクルも閉じるため、指通りが滑らかに戻ります。

金属石けんは顔や体に石けんを使ったときにも当然肌に残留し、顔ではツッパリを感じさせますが、これが感覚の鈍い体部分の場合ではさっぱりしたと感じるのだそうです。(人間の感覚なんていい加減~)
なのでボディ用洗浄剤には石けん成分が配合されているケースが多いそうです。

私は髪をリン酢するときに顔なども一緒に酢ですすぐのが好きです。そうすると手や顔もツッパリ感が消えてやわらかくなります。なので乳化したクリームリンスではなく、ザバザバと全身に使えるただの酢水、クエン酸よりハーブビネガー が好みです。
(オイルが入ると寝癖がつきやすいということもあります)


さて話をココナッ油石けんに戻します。

ココナッツ高配合のシャンプーバー(以下、ココシャン)で髪がきしみにくい秘密はその脂肪酸組成にあると考えられます。
金属石けんが残りにくいのです。

石けんを構成する脂肪酸のうち、金属石けんを生成しやすいのはパルミチン酸、ステアリン酸などの高位の飽和脂肪酸の石けんです。
ココシャンは50-70%配合しているココナッツ油またはパーム核油のほかはハイオレイン系のソフトオイル・ひまし油・ホホバ油SFが基本で、パーム油はゼロか入れてもほんの少し(2-3%)なので、前述のパルミチン酸やステアリン酸は少な目になっています。パルミチン酸が5-10%未満、ステアリン酸は1-5%未満程度でこの2つの脂肪酸の組成量としてはオリーブ油100%の石けんと同程度になりますが、非常に泡立ちが良いことが髪等への金属石けんの付着を妨げる方向に働くと考えられるので、体感的にはココシャンの方がきしみ感が少なくなるというのは納得できる話です。

私が住んでいる千葉県北部は本州の中でも比較的(かなり?)水道水の硬度が高い地域なんです。 中でも雨が少なく河川の水量が減る冬場は硬度が上がります。年4回しか測定していないようでこの冬になってからの測定結果はないのですが、数年間の水道局のデータを見ていると100を超えることもあるようです。
当然のことながら冬になると石けんシャンプーや洗顔の具合は悪くなります。(自分では特にシャンプー専用は決めておらず、その日の気分で適当に使ってます)

で、先日オットのココシャンを使ってみたところ・・・
確かに髪はぜんぜん違う~! きしみ感が非常に少ないです(ゼロではない)。
いつも夏に作ってお試しして、ちょっと手が他のに比べてパリパリになるんで使うのを控えていたのですが、冬の髪でこんなに差が出るやつだったとは!
気になる手や顔はリン酢してしまうしメンクリが効いててスースーしすぎなので、ラウリン酸石けんの刺激性とか乾燥してるかどうかとか分かりにくいです。つまり大丈夫そうってことで。

今のが最後の1個なので、なくなる前に仕込まなくては。
次回は自分も使うことを考えて、ホホバSFを多めにするとかいろいろ考えてみようと思います。


最近石けんシャンプーでのキシミが気になる、顔が突っ張るようになってきた、というあなた。
レシピから思い切ってパームやバター類を排除してみるのが効果的かもしれませんよ。水の硬度が高い地域の場合、しっとりさせるつもりのシアバターが裏目に出ているかも・・・。

(ココナッツ高配合はさすがにやりすぎかもしれませんので推奨しません。高融点のオイルが減るととろけやすくなるので換気と水切れのいい場所に置いてくださいね。)


※ステアリン酸マグネシウム等の金属石けんはファンデーション等の化粧品基材としても使われるもので、とりわけ肌に悪い成分ではありません。お風呂や洗濯機の中で発生しちゃうと困るんですけど。。。