偽トレース [├ 用語・材料・化学っぽいこと]
手作りせっけん教室で、偽トレース、擬似トレースという状態について、気をつけなさいという指導を受けられた方は多いと思います。
偽トレース(ニセトレース) とは。。。
◆飽和脂肪酸の多い(冬の室温で固まってしまう脂が多い)レシピの場合、ぐるぐる中のタネの温度が下がってしまうと、十分にけん化が進む前に(本当のトレースが出る前に)未反応の脂が冷えて固まって手応えが重くなり、トレースが出たと勘違いしてしまうことがある。
◆偽トレースに気づかず型入れすると、型の中でタネが分離してしまう
というものです。
私のところへ集まるご質問で、分離しちゃった系は偽トレースが疑われるものが多いです。
起こってしまった場合に、本当のトレースと区別がつかなかった人が多いということだと思います。
でも実際には、教科書的な「常温で液体の油が50%以上のレシピ」 且つ 「防寒着を着ないでよい程度に暖房された部屋」で作っていればほとんど経験することはないと思うので、大抵偽トレースのことなど忘れていますよね。
手順なども関係してくるので、どんなレシピで室温何度以下だと起こりうる!と言い切れないので具体的に注意喚起するのも難しいです。
(手順で言えば、例えば前田京子さん方式で「トレース出るまで放置」だと騙されやすくなります)
そんな偽トレース、先日ついにバッチリ遭遇したので、いくつか写真を載せておきます。
ちょっと大きい写真(クリックすると大きくなります)にしておくので、コピーして使っていただいて結構です。
ーー状況ーー
レシピ : 牛脂 80%、ココナッツ油 20% の、スペシャルハードレシピ(市販せっけんの黄金レシピ)
経過など
・室温10〜15°Cくらいのキッチンにて。
・脂だけなので温度高めのCP、手混ぜぐるぐるスタート
・30分くらい混ぜたところで(シャバシャバでトレースの兆候なし)横やりが入る。まあ30分でこの程度なら、寒いから行きすぎることはないだろうとラップして1時間くらい放置。
・再開しようと泡立て器つかんだところ、ガツっと手応えあり。混ぜるとクリーミーな角が立つくらいのトレース状態。おおぉ〜、危なかった!
・ここでスペシャルハードレシピだと思い出す。いくらけん化の速い脂ばっかりとはいえ、この寒さであの状態からこれは行きすぎじゃない? 偽トレースでは? タネもすっかり冷え冷えだし本当トレースだとしても型入れ前に温めねばなるまい。
・湯煎にかけて温まり始まった途端にトレースは消え去り、1時間前と同じシャバシャバに戻る。やっぱり!
・ここでもう一回放置したらまた偽トレースになるんじゃない? なんかチャンスじゃない? と、再び30分放置(はい、病気です)
長くなりましたが、あえての放置後30分のタネの写真です。
しっかり混ぜなおすと普通のトレースみたいになってしまうので、混ぜかえす前の状態です。
ボウルを傾けると、縁だけ固まっています。中心部はシャバシャバのままです。
本当のトレースなら温度が上がる中心部から進むはずなので(実際に体感することはないでしょうが)、反対です。
シャバシャバ部分の表面をよく見てください。
けん化による乳化が進んでいないのでもやもやと分離しています
泡立て器を持ち上げてみました。
底の方から固まった脂が。。。 やはり縁に分離が見えます。
この状態で、手応えに任せて数回かき混ぜるとやはりもったりトレースのようになりました。
偽トレースのポイント
◆タネの外側、ボウルに接している冷えやすいところから固まってくる
◆差しっぱなしの泡立て器を持ちあげる時に妙に手応えあり。
◆トレースに見えるタネにツヤが少ないような気がする
◆冷え冷えのタネを温めなおすとゆるくなる(シャバシャバに戻る)
※本当のトレースなら温めても変化なしか、反応進んで重くなる。
ある程度の温度を保ってかき混ぜ続けている時には起こりにくいものです。
手混ぜ&長時間放置法で作られている方で心配な時は、再開時にいきなりかき混ぜずにちょっとボウルを傾けてみる、冷えたタネは型入れ前に温めなおす、を心がけるとよいかと思います。
偽トレース(ニセトレース) とは。。。
◆飽和脂肪酸の多い(冬の室温で固まってしまう脂が多い)レシピの場合、ぐるぐる中のタネの温度が下がってしまうと、十分にけん化が進む前に(本当のトレースが出る前に)未反応の脂が冷えて固まって手応えが重くなり、トレースが出たと勘違いしてしまうことがある。
◆偽トレースに気づかず型入れすると、型の中でタネが分離してしまう
というものです。
私のところへ集まるご質問で、分離しちゃった系は偽トレースが疑われるものが多いです。
起こってしまった場合に、本当のトレースと区別がつかなかった人が多いということだと思います。
でも実際には、教科書的な「常温で液体の油が50%以上のレシピ」 且つ 「防寒着を着ないでよい程度に暖房された部屋」で作っていればほとんど経験することはないと思うので、大抵偽トレースのことなど忘れていますよね。
手順なども関係してくるので、どんなレシピで室温何度以下だと起こりうる!と言い切れないので具体的に注意喚起するのも難しいです。
(手順で言えば、例えば前田京子さん方式で「トレース出るまで放置」だと騙されやすくなります)
そんな偽トレース、先日ついにバッチリ遭遇したので、いくつか写真を載せておきます。
ちょっと大きい写真(クリックすると大きくなります)にしておくので、コピーして使っていただいて結構です。
ーー状況ーー
レシピ : 牛脂 80%、ココナッツ油 20% の、スペシャルハードレシピ(市販せっけんの黄金レシピ)
経過など
・室温10〜15°Cくらいのキッチンにて。
・脂だけなので温度高めのCP、手混ぜぐるぐるスタート
・30分くらい混ぜたところで(シャバシャバでトレースの兆候なし)横やりが入る。まあ30分でこの程度なら、寒いから行きすぎることはないだろうとラップして1時間くらい放置。
・再開しようと泡立て器つかんだところ、ガツっと手応えあり。混ぜるとクリーミーな角が立つくらいのトレース状態。おおぉ〜、危なかった!
・ここでスペシャルハードレシピだと思い出す。いくらけん化の速い脂ばっかりとはいえ、この寒さであの状態からこれは行きすぎじゃない? 偽トレースでは? タネもすっかり冷え冷えだし本当トレースだとしても型入れ前に温めねばなるまい。
・湯煎にかけて温まり始まった途端にトレースは消え去り、1時間前と同じシャバシャバに戻る。やっぱり!
・ここでもう一回放置したらまた偽トレースになるんじゃない? なんかチャンスじゃない? と、再び30分放置(はい、病気です)
長くなりましたが、あえての放置後30分のタネの写真です。
しっかり混ぜなおすと普通のトレースみたいになってしまうので、混ぜかえす前の状態です。
ボウルを傾けると、縁だけ固まっています。中心部はシャバシャバのままです。
本当のトレースなら温度が上がる中心部から進むはずなので(実際に体感することはないでしょうが)、反対です。
シャバシャバ部分の表面をよく見てください。
けん化による乳化が進んでいないのでもやもやと分離しています
泡立て器を持ち上げてみました。
底の方から固まった脂が。。。 やはり縁に分離が見えます。
この状態で、手応えに任せて数回かき混ぜるとやはりもったりトレースのようになりました。
偽トレースのポイント
◆タネの外側、ボウルに接している冷えやすいところから固まってくる
◆差しっぱなしの泡立て器を持ちあげる時に妙に手応えあり。
◆トレースに見えるタネにツヤが少ないような気がする
◆冷え冷えのタネを温めなおすとゆるくなる(シャバシャバに戻る)
※本当のトレースなら温めても変化なしか、反応進んで重くなる。
ある程度の温度を保ってかき混ぜ続けている時には起こりにくいものです。
手混ぜ&長時間放置法で作られている方で心配な時は、再開時にいきなりかき混ぜずにちょっとボウルを傾けてみる、冷えたタネは型入れ前に温めなおす、を心がけるとよいかと思います。
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2016-02-29 23:06
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コメント(1)
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なるほどなるほど・・・。
怪しいときは温め直す方が良いのですね( ..)φメモメモ
病気療養中だったハルくんが旅立ったので
久々に石鹸さん仕込もうと思っていたのです。
とても参考になりましたー^^
by チェレスタ (2016-03-02 09:22)