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元祖?ウルトラ抽出法 [├ インフューズドオイル]

とある石鹸のため、急遽カレンデュラのインフューズドオイルがほしくなり。。。
カレンデュラに向いている冷浸法の2週間待てないので、もうやるまいと思っていたウルトラ抽出法に再度手を出してしまいました。

ただし、今度は少し別のアプローチで、neroliさんのウルトラ抽出法の元になっていると考えられる方法をトレースします。

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The Herbal Medicine Maker's Handbook: A Home Manual

The Herbal Medicine Maker's Handbook: A Home Manual

  • 作者: James Green
  • 出版社/メーカー: Crossing Pr
  • 発売日: 2000/12/30
  • メディア: ペーパーバック


この本の、OIL INFUSION の章、ドライハーブからの抽出として載っている方法。

"National Formulary IV (1916) Method"(米国薬局方1916年版)
要約すると。。。
・パウダーにしたハーブ100gを、等量の190-proofエタノールとアンモニア水2mlを混ぜたもので湿らせる。
・ふたのできる容器で6時間ふやかす。
・オイル1000gを加える
・口の開いた容器で50-60℃の湯煎にかけ、アルコールとアンモニアが放散するまでよくかき混ぜる。
・オイルを濾して完成

190-proofエタノールは95度以上です。したがって無水エタノールでOK。
アンモニア水は、USPグレード(米国薬局方)のものをさらに10倍に薄めたもの。でもUSP gradeの濃度がわからない。日本の薬局方では10%のようだけど、同じようなものかな。

この方法の利点、なぜアンモニア水を入れるのか、というようなことは、残念ながらこの本には一切書かれていません。読み解くだけの別の基礎知識が必要なようです。
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(後日/方法に関する追記)
この記事作成以降、何度かエタノールを使う抽出を行って、私なりには以下のように変えてもよいと感じています。

1)アンモニアは不要
アルカリ側へ傾けることで抽出の効果をあげるのか、またはエタノールの除去工程で作用するのかと想像していますが、あってもなくても差が分かりません。

2)先に漉してからエタノールを飛ばすほうが楽
ハーブがオイルに漬かった状態で温めることでより抽出の効果が上がるものと思われます。
しかしながらエタノールの大半はハーブに吸収されているため、先にハーブを漉しておいたほうがエタノール臭が消えるのが早いです。
温かいほうが漉しやすいということもあるため、湯煎のお湯を用意して少し温めてから漉し、再度エタノールを飛ばす工程に入るという手もあります。

注意点
エタノールを飛ばす工程では換気扇を使用してください。
放散させるエタノールは少量で、上記の条件(50-60℃)では蒸発する速度が非常に遅いので蒸気の濃度が燃焼範囲に入る可能性は低いと考えられますが、必ず温度を確かめながらの湯煎か温度調節のできるヒーターを使用し、沸点(78℃)を超えないようにされるほうが安全です。
危険度は日本酒やみりんの煮切り(沸騰させてアルコールを飛ばすこと)と同程度でしょう。

(追記終わり)
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話は戻って。。。そんなわけで、アンモニア水を購入してしまいました。

カレンデュラ 目分量ですが10gほどをミルサーでパウダーにしたものに、無水エタノール10gとアンモニア水数滴を気持ち薄めた(少なすぎて計るのが面倒だった)ものをかけて湿らせました。
久々のアンモニア臭。。。目が覚めますなぁ。
カレンデュラはかさばるので、何とか湿ったかなという程度です。


半日置いたところで、方法よりちょっと多いけどハイオレひまわり油を200g投入。
50℃以上をキープできる程度の湯煎で、5分ごとくらいにかき混ぜながら、30分くらいおきました。
驚いたことに、前回と違いまったくエタノール臭がしません。カレンデュラが吸いきっているのでしょうか。したがって止め時を見つけられず、30分で飽きたというところです。


ガーゼで濾して、完成。どうなるか楽しみ♪
せっかくなので、濾したハーブのほうも一部石鹸に入れちゃう予定です。
クリーム用にも少し小分けしておこうかな。

(完成石鹸写真追加)

オイルは結構濃い色が出ていますが、石鹸の総オイルの1/3程度だったせいか、石鹸自体にはほとんど色がつきませんでした。写真はカレンデュラのパウダーが入っているのでほんのり黄色になっています。

ところで、冷浸法については「日のあたるところにおく」ことを常々疑問に思っており(オイルが光酸化するよね)、絶対自分ではしないと心に決めて実際やっていないのですが、そんなことを記事にしようと思っていたところで同じようなことの書かれたジェリーフィッシュのメルマガ到着。まったくそのとおり、同感。(貴重なネタがなくなっちゃった~。残念)
ただ、私の場合メルマガで日にあてない代わりとして紹介されているように毎日手をかけることはできないので、お勧めの方法は、瓶をアルミホイルやダンボールで遮光した上で暖かめのところ(日の当たるところでも可)に置くことです。

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コメント 13

ion

フム。。。!
けっこう抽出されてますね。普通に長く漬けた油漬けよりも濃い感じだし。
これなら前の日の夜にエタノール漬け→次の日油を温めつつ油へ抽出が可能ですね。
ハーブはあらかじめ細かくしたんですか?
めんどくさいのは「ミキサーにかける」工程かな、と思ったので。これがなければすぐに抽出できてよいかな~と思いまして^^
by ion (2006-07-21 17:42) 

ゆりくま

>ionさん
とりあえず本に従ってみようということで、はじめにミルサーで粉にしちゃいました。私も、オイル漬けのものをブレンダーにかけることに非常に抵抗があったので、この方が気持ち的にもよいです(^v^)。
それにしても、なぜアンモニア。。。?
by ゆりくま (2006-07-21 19:57) 

pirori

こんにちは!おひさしぶりです。
ずいぶん前の記事にコメントしちゃって、どうなのかしら?
私もゆりくまさんと同じやり方でカレンデュラをやってみました。
出来上がった油が妙な臭いがするんですけど、
なんだか食品系のような・・・
ゆりくまさんはそんなことなかったですか?
カレンデュラはやっぱり冷浸法でやるべきだったかと少々反省しています。
濃い色が出ていい感じだったんですけどね。
by pirori (2007-02-01 16:51) 

ゆりくま

■piroriさん、こんにちは。
コメントはその記事にいただいたほうがいいので、全然問題ないですよ。

>出来上がった油が妙な臭いがするんですけど
エタノールが飛んだかどうか確認するのにしつこく臭いは嗅いでますが、そういう記憶はありませんね・・・。
油もほとんど無臭のひまわり油だったので、変わったことがあれば気がついたと思います。
使われたオイルの臭いか、またはカレンデュラ自体にあまりにおいはないものの独特の植物臭はあるので、濃く抽出されたか、ちょっと温度が高かったかでそれが出たのではないでしょうか。

確かに冷浸法のほうが香りはつきにくいかもしれませんね。
私は今、逆にオイルにどのくらい香りがつけられるのか、どんな香りが残るのかに興味があります。それはまたこれからの記事で・・・
by ゆりくま (2007-02-01 17:56) 

pirori

なるほど~。たしかに温度が高かったかもしれないです。
70度を超えたと思います。
ちなみにオレンジフラワーでもやってみたのですが、これまた
似たような臭いでした・・・(~o~)
この臭いに石けんにする勇気が持てないでいるところです。
改めて今、冷浸法でじっくりつけこんでます。
ローズマリーとかはいい香りが残るのに、ハーブはなかなか深いですね。
香りといえば、ドクダミもやってみましたよ!
これはきれいな濃いグリーンの色がつくし、
石けんにしてもあのいやなドクダミとは違う
ちょっとさわやかな香りでよかったです。
by pirori (2007-02-02 10:34) 

ゆりくま

■piroriさん
わたしもちょこちょこ試していますが、葉っぱ系はいい香りが残る傾向のようですね。
花びら系は、花そのものの臭いはあまり残せないようです。
石けんにするとなお、重い部分が強調されるように思います。でもそれをミドル~ベースノートが効いていると考えて、軽い部分を重点的に着香したら案外ステキになるかもなどと妄想中です。
piroriさんもせっかくなので石けんにしてみましょうよ!
by ゆりくま (2007-02-03 02:57) 

pirori

そうですね!!オレンジフラワーから作ってみます!
勇気を出すために、オレンジフラワーの浸剤も一緒に使って
やってみることにしました。
ちまちま作っているので、浸出油分は全体の28%くらいにしかならないのですけれど、無香料で作るので、また報告しますね~
by pirori (2007-02-05 10:25) 

ゆりくま

■piroriさん
ぜひぜひ挑戦してください~。実は私もこないだオレンジフラワー石鹸を仕込みました。エタノールを十分飛ばさなかったのでえらいことになってます。(ぼちぼち新しい記事で予告中のやつ)
エタノールは十分飛ばしてくださいね。ご報告お待ちしてます♪
by ゆりくま (2007-02-06 19:40) 

aslan

ゆりくまさん、こんにちは♪
BBSでお世話になりました、kabun改めaslanです。
こちらの記事にトラバさせていただきました。
初めてなもんで、かなりどきどきしています。
ゆりくまさんのブログと比べて、しょーもないブログでスミマセン。
この記事を読んでから、ウルトラ抽出にはまってしまいました。
温抽出では出せない色と香りがでて、今いろいろ漬け込んでます。
ハンガリーウォーターの石けんも成功しました!

もしよかったら、リンク貼らせていただいてもいいですか?
ゆりくまさんのブログいつも楽しみにしています。
by aslan (2007-05-10 17:23) 

ゆりくま

■aslanさん、こんにちは。TBありがとうございます。
ウルトラ抽出、結構楽しいですよね。
予想通りとはいかないけど濃い色や濃厚な香りがたまらないです。

リンクどうぞどうぞ~。よろしくお願いします。
私も後で遊びに行きますね。
by ゆりくま (2007-05-10 18:11) 

aslan

リンクの件、ありがとうございました!
早速貼らせていただきました。

ウルトラ抽出、予想通りにいかないところがまた楽しいですw
個人的には、ラベンダーとローズマリー、緑茶はウルトラ抽出に限る!と思っています。
精油には出せないあの香りがたまらないです。

また遊びに(勉強しに?)よらせていただきますね。
by aslan (2007-05-10 21:13) 

Hana

はじめまして。ウルトラ抽出の方法とても参考になりました。早速お茶で試してみたのですがゆりくまさんの初めての時と同じようにアルコールがなかなか飛ばず時間がかかってしまいましたがきれいな抹茶色のせっけんができてホクホクです。
その他のせっけん作りの化学、とても楽しく読みました。ありがとうございます。また遊びに来ます~
by Hana (2007-08-22 06:20) 

ゆりくま

■Hanaさん、ようこそ。TBもありがとうございます。
中途半端な情報ばかりで申し訳ありません。少しでもお役に立てたのなら幸いです。
ウル抽お茶石鹸は色も香りもいいですよね~。
by ゆりくま (2007-08-23 18:48) 

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