ウォーターディスカウントについて [├ 用語・材料・化学っぽいこと]
手作り石鹸で、ウォーターディスカウント(water discount)という手法について知っていたら教えてというご依頼をいただきました。
私自身はまだ実践していないので過去にどこかで読んだり調べたりというレベルの話になってしまいますが、知っている範囲でメモしておきます。
メモとか言ってすっげー長文になってしまってます。覚悟して読んでくださいませ。。。
(写真は本文と関係ありません)
ウォーターディスカウントとは、文字通り「通常より水を減らす」という意味です。
原則 コールドプロセスのナトリウム石鹸で適用され、DWCP(discounted water cold process method )と略されることが多いようです。この記事でも以降WD(water discount)またはDWCPの略称を用いることにします。
後で水を足すカリ石けん(リキッド)の時にはWDは行いません。水分の蒸発の多いホットプロセスの場合は少しだけディスカウントが普通のようです(後述)。
■DWCPの計算方法
はじめに、日本では私を含めて多くの方がレシピの水分量を決めるのにオイルの重量に対して何%という計算をしていると思いますが、DWCPでは苛性ソーダ水溶液の濃度を基準に、あるいは苛性ソーダの重量に対して水が何倍と考える点が大きく異なります。
次に最も肝心な、どの程度のディスカウントを行うのかという点です。数字のイメージをつかみやすくするためにモデルレシピを設定しましょう。
▼モデルレシピ ※SAV:鹸化価(NaOH)
オリーブ油(SAV 132.1) 80% 400g
ココナッツ油(SAV 184.3) 20% 100g →計 500g
鹸化率 90% →NaOH 量 64.5g
水分量 ???
水分量
▼従来の方法
一般的にはオイルの30〜40%くらいとしている人が多いと思います。オイルが500gのモデルレシピでは 150〜200gくらいになります。
苛性ソーダ水の濃度としては
64.5 ÷ (150+64.5) × 100 = 30.0%
64.5 ÷ (200+64.5) × 100 = 24.5%
このくらいの範囲です。オイルの組成によっては多少前後します。平均的には27%程度です。
つまりこれより濃い(= 水分の少ない)NaOH水溶液を使う場合、WDCPとなります。
私自身はまだ実践していないので過去にどこかで読んだり調べたりというレベルの話になってしまいますが、知っている範囲でメモしておきます。
メモとか言ってすっげー長文になってしまってます。覚悟して読んでくださいませ。。。
(写真は本文と関係ありません)
ウォーターディスカウントとは、文字通り「通常より水を減らす」という意味です。
原則 コールドプロセスのナトリウム石鹸で適用され、DWCP(discounted water cold process method )と略されることが多いようです。この記事でも以降WD(water discount)またはDWCPの略称を用いることにします。
後で水を足すカリ石けん(リキッド)の時にはWDは行いません。水分の蒸発の多いホットプロセスの場合は少しだけディスカウントが普通のようです(後述)。
■DWCPの計算方法
はじめに、日本では私を含めて多くの方がレシピの水分量を決めるのにオイルの重量に対して何%という計算をしていると思いますが、DWCPでは苛性ソーダ水溶液の濃度を基準に、あるいは苛性ソーダの重量に対して水が何倍と考える点が大きく異なります。
次に最も肝心な、どの程度のディスカウントを行うのかという点です。数字のイメージをつかみやすくするためにモデルレシピを設定しましょう。
▼モデルレシピ ※SAV:鹸化価(NaOH)
オリーブ油(SAV 132.1) 80% 400g
ココナッツ油(SAV 184.3) 20% 100g →計 500g
鹸化率 90% →NaOH 量 64.5g
水分量 ???
水分量
▼従来の方法
一般的にはオイルの30〜40%くらいとしている人が多いと思います。オイルが500gのモデルレシピでは 150〜200gくらいになります。
苛性ソーダ水の濃度としては
64.5 ÷ (150+64.5) × 100 = 30.0%
64.5 ÷ (200+64.5) × 100 = 24.5%
このくらいの範囲です。オイルの組成によっては多少前後します。平均的には27%程度です。
つまりこれより濃い(= 水分の少ない)NaOH水溶液を使う場合、WDCPとなります。
INS value とは [├ 用語・材料・化学っぽいこと]
写真は今年も絶好調のイレーネ・ワッツの蕾。
本文とは関係ありません。。。
さて、英語のアルカリ計算アプリ(iPhone/iPad)でアルカリ量の他に計算されてくる「INS」って何?、という話がFBででましたので、すこし解説します。
日本ではあまりなじみがない値ですね。
INS value とは、
油脂のヨウ素価(Iodine value)と鹸化価(Saponification value)から決まる値(Iodin 'n Saponification value)で、
ずばり、オイルの配合でINSの加重平均値を160に近づけると時間を短縮しトラブルを避けて理想的な固形せっけんができる
という値です。すごいでしょ!
・・・いやいや、いますぐ飛びつきたくなる気持ちはわかりますが、ちょっと待って。
実は定義や根拠があいまい、科学と非科学(都市伝説)の狭間のグレーゾーンと考えられるネタなので、話半分で読み進めてくださいませ。
その前に噂のiPhoneアプリとは。。。
Soap calc(無料)あるいはSoap Calc Pro(有料)、です。
INSの他にも硬さや泡立ちの指標、脂肪酸構成なども出してくれてかなり凝ってます。有料版だと結果の保存ができるようです。
アプリへのリンクの貼り方がわからないので検索してください。ごめんなさい。
追記)これでいいのかな?
http://itunes.apple.com/jp/app/soap-calc/id503494605?mt=8
http://itunes.apple.com/jp/app/soap-calc-pro/id504499021?mt=8
過炭酸ナトリウムと石けん [├ 用語・材料・化学っぽいこと]
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)入りの石鹸を作りたい、というご質問をいただきました。
質問のポイントは「コールドプロセスの固形石鹸を作る過程で過炭酸ナトリウムを混ぜ込む方法」です。
実は一度試されて、保温中にタネが膨らんでイギリス食パンのようになってしまったのだそうで、なぜ膨らむのか、膨らませないで作るにはどうしたらよいかというご質問でした。
まずはじめに酸素系漂白剤、過炭酸ナトリウムとはどんなものなのか、次に石鹸との相性、そしてコールドプロセス製法について考えてみたいと思います。
※写真は炭酸塩入りの粉石鹸で、本文とは直接関係ありません。。。
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