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透明せっけんのコンフェティに使う色材 [├ 石けんの色]

イマイチな透明コンフェ

透明せっけんやM&Pソープの透け感を活かしたコンフェティを散らしたせっけんで、保管中にコンフェティ部分の色が抜けてしまってがっかりしたことはありませんか?

そのお悩み、着色に使う色材の選び方で解決できるかもしれませんよ。
久々に長文です。

透明に仕上げたい透明せっけんやMPソープでは、市販の透明なカララント(カラージェルなど)や食用色素を水で溶いたもの、アルコールを使ったティンクチャー(チンキ剤)やインフューズドオイルの形で植物色素を抽出したものを使うことがほとんどです。
もちろんとってもクリアな透明せっけんができあがります。

がしかし!

そのような色素は水溶性または脂溶性の「染料」で、水彩絵の具で描いた線を水でなぞると滲んでしまうように、水分や油分の移動に便乗して隣り合った無色または別の色のせっけんの方にだんだん拡散する性質があります。
つまり初めに書いたコンフェティの例では、透明せっけんやMPソープの色素がコールドプロセスのタネの方に拡散して薄まってしまい、ベースのやや黄味がかったせっけんに戻ってしまうのです。
透明せっけんの時に限らず普通のコールドプロセスでも、デザインせっけんで染料系のカララントやインフューズドオイルのタネで繊細なスワールを描いても、使えるようになる頃には色が滲んでぼんやりになってしまいます。

繊細ではっきりしたスワールを描く時に使う色材は、二酸化チタン、炭、ウルトラマリンなんとか、酸化鉄、クレイ、市販の各種マイカやピグメントなど、粉状で水にもオイルにも溶けない「顔料」です。

顔料は水や油に溶けておらず、微細な粉が分散した形で存在しているため、染料のように容易に周辺に拡散していくことがないため、いつまでもシャープな模様を保つことができます。

手元にはCPの例がないので、ぷるぷるせっけんとMPソープで染料と顔料の違いを見てみます。

【例1】ぷるぷるせっけん
ぷるぷるせっけん

紫のLabcolor(水溶性の染料)で作った具を無色のぷるぷるせっけんの中に入れてみました(写真左上)
時間が経つと紫色が周りに溶け出して、そのうち全体がぼんやり紫色になってしまいました(写真右上、下)
一方、写真下の右側、炭パウダーで着色したお魚の具は、紫と同時に作成したのですが、色が溶け出さずいつまでたってもしっかり形を保っています。


【例2】MPソープ
黒猫ソープ

右下の白黒猫のせっけんでは、顔料で着色した白猫(二酸化チタン)と黒猫(炭パウダー)はくっきり猫型を保っています。背景の赤色は染料がにじむ性質を意図的に使ってグラデーションを作り出しています。下部1/4くらいの位置にだけ赤色のLabcolorで濃く着色したタネを、上部3/4は無着色の透明なタネを流して固めます。作りたてはくっきりレイヤーですが、ほんの数日で赤色が拡散して美しいグラデーションになります。長期保管すると全体が均一なピンクになってしまったかもしれません。(もう手元にないのでわかりません。。。)


透明なタネの色がにじまないようにすることは可能な例も一緒に写っています。

MPソープの写真で、左下の横向きの猫の作品をごらんください。猫の右肩に透明な桜の花びら型の飾りを埋め込んでいますが、にじまずくっきり形を保っていますよね。
これは、透明のタネにほんの少しだけピンクのピグメント(顔料)で着色しているのです。
同様に顔料で着色したMPソープや透明せっけんはCPソープに埋め込んでも色抜けしないはずです。

MPソープは加熱で溶かした状態でも比較的とろみがあるので、大抵の顔料の粉をきれいに分散させて着色することができます。

油から作る透明せっけんはどうでしょう? 実は少々難しいところがあります。
顔料は不透明なので、入れ過ぎたらせっかく手間をかけて作った透明せっけんが台無しです。また型入れ前のタネがサラサラなので粉は沈んでしまうかもしれません。。。 なので初心者の方向けの王道透明せっけんの講座では、まず染料系の透明な色材で着色してくださいとお話ししています。

でもでもうまくいく例もあるのです。先日透明せっけんを作った時に、少しタネを取り分けて実験してみました。

透明せっけん&顔料

左から4つはせっけん用のネオンカラー、一番右のグリーンは水酸化クロムです。
小さい容器に先に色材を入れておいたものに透明せっけんタネを注いだため後から加減ができず、全体的に入れ過ぎでわかりにくくなってしまいましたが、ネオンカラー4色はきれいに分散して、薄く切ってみたものは透明感あります。水酸化クロムは本当の入れ過ぎで写真では透明感ゼロですが、色材自体はきれいに分散して底に沈んでいないので、ほんの少しだけ使うようにすれば透明感をキープできる期待が持てます。

うまくいかなかったものもあります
透明せっけん&マイカ

粒子粗めのパールのマイカです。底に沈んでしまいました。(左の大きい塊の、光っている面が型の底です)
それでも縦に切ってみると、断面にキラキラが少し残っています。
全体をキラキラにすることはできませんでしたが、底だった部分に本当に薄いキラキラ面ができてこれはこれで美しいです。逆にこのテクニックを宝石せっけん作りなどに活用すると面白いのではないでしょうか。

まとめると、サラサラの透明せっけんタネにも沈まないできれいに分散する顔料を少量使って着色すれば、透明感があって色にじみしないコンフェティを作ることができます。
今回の実験では比重が小さいと考えられる有機顔料のネオンカラーと、金属系でも水酸化クロムは均一に着色できましたが、おそらく比重の重いマイカ、また写真はありませんがクレイも沈んでしまい、透明感のある着色には不向きということがわかりました。

今後も実験を進めて、使える顔料や混ぜ方のコツなどをご紹介できればと思います。


さらに実は。。。作りたての透明せっけんタネでは沈んでしまったと書いたクレイですが、古い透明せっけんのリバッチでは溶かしたタネにとろみがあるため、沈まずに混ぜることができました。
顔料を使うとグラデーションにならず、くっきりレイヤーができるというヒントも隠れています。
ますます幅が広がりそうです!
ホワイトカオリン&透明せっけん


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脂溶性の色素を色素として取り出す [├ 石けんの色]

脂溶性色素

昨年から、植物から取り出した顔料「フィトピグメント」として赤、黄、藍、紫を中心にご紹介しています。

絵の具の混色と同様にこれらの色を混ぜればかなりの中間色を作り出せます。
それでも欲しいととにかくご要望が多いのにご紹介できていないのが「緑」。

植物の緑色はご存じ葉緑素、クロロフィルです。
クロロフィルは脂溶性の色素で、今までのところ水にも油にも溶けないピグメントとしてご紹介できる素材や手法を確立できていません。
脂溶性のカロテノイド系(黄ー赤)も同様です。

でもでも、冒頭の写真をご覧ください。
実は物質として色素だけを取り出すことはできるのです。液体は取り出した色素をひまわり油に溶かしたもの。綺麗に色がついて、脂溶性だということがよくわかります。
ピグメント(顔料)ではなく、油性インキの素みたいなものです。
取り出し方も簡単で、ぶっちゃけ色だけを目的になんたら抽出法でインフューズドオイルを作るよりはるかに早くて面倒な汚れ物も少ないです。(そのほかの有効成分は取れないので、美容目的ならインフューズドオイルにしてくださいね)

厳密にはピグメントではないけどいいかなぁ。

これらの色素にはご紹介しにくいもう一つの問題が。
これもせっけん系の方はご存じと思いますが、めっぽう光に弱く、退色が超速なのです。
使い方によって安定性が変わるかどうか、これからの課題です。

脂溶性色素
ネチネチしているのでフィトピグメント講座でお馴染みの例の粉と一緒に乳鉢してオイルに溶いてみました。
せっけんに入れてみようかな。
前の写真と左右逆なのが、私の行き当たりばったりなところ。。。

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桜の落ち葉染め [├ 石けんの色]

桜染

先週の冷たい雨からずっとお天気不安定で、家の前公園の桜の葉も木によっては無くなってしまったものもあります。

桜の落ち葉の煎液で赤い石けんを作ってみたのはもう一年前、今年も雨で散る前にコツコツと拾い集めた葉で赤い煎液を量産してます。石けん用と染物用。
上の写真のうち左2枚は桜の落ち葉染めストールです。濃いと臙脂、薄いとサーモンピンクに近い桃色に染まるんですよ。朝の青い光の中では青みのあるピンクに写ってしまうくらい、なかなか本物通りの色を写真に出すのが難しい微妙な色合いです。

赤い染液

煎液でも染液でもいいのですが以下染める話をするので染液で。
桜で赤系に染めるにはいくつかコツがあります。ネット検索でもある程度出てきますが、実際にやってみた手応えも合わせて書くと以下のような感じです。イロモノ好きのみなさま、参考ください。

染液を作る
■アルカリ抽出する(炭酸ナトリウムまたは重曹を加えて)
■1煎目は捨ててもよい(黄味の色素が多いように思う)
■2煎目以降?葉がドロドロになるまで煮出せる
■染液は一晩おくと赤みが増すとのこと。でもやらなくてもいい。
■黄色い葉の方がいいとのこと。でも変わらない気がする。

染める
■銅媒染で赤みが増す。アルミ媒染(ミョウバン)だとオレンジに近くなる。
■一度染めた残液も十分赤いが、別の布を入れてみると茶が強く染まるので、深追いしない方がいい。


そんなこと言われてももう落ち葉もないし、素材の適当な布とか銅媒染剤とか用意できないわ(涙)
というあなたに朗報!

来年3月のアンデリーズ講座では、フィトピグメント講座の番外編として、ゆりくまとスタッフacoちんがせっせと集めた葉を使って桜染め体験を行います。素材も薬品もご用意しますので、ぜひお気軽にご参加ください。また、午後はローズマリーの黄緑色を染めてみます。2枚合わせて使うのも素敵です。

桜とローズマリー染め

写真の桜染めは濃淡が着いているのが分かりますか? 簡単に染め分ける、本には載っていない若干インチキなテク(笑)を開発したので、お好みで濃淡のデザインもお楽しみいただけますよ。

詳しくはアンデリーズさんのFBページへ。
1ー3月の講座全容については改めて別記事でご紹介させていただきます。
2月にはやはりフィトピグメント講座番外編で桜染めせっけんを企画しているのですが、こちらは早々に満席とのことです。材料はたくさんあるのでまた機会があれば。
https://www.facebook.com/ANDELIES

染め写真色々

桜はバラ科の木ですが。。。
よく似た梅ならどうだろうと試したのが、上の集合写真の黄色いエコバックです。お正月用の盆栽梅の黄色い枯葉を使いました。
全く赤みがなく、濃い黄土色に染まっています。やはり赤色は桜だけが秘めているものなのですね。

桜染めせっけんのお話もまた追い追いしたいと思います。

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